ジャック・ニクラスのドライバースウィングをAIで分析【レジェンドを最新テクノロジーで大解剖③】
スウィング動画をAIによる3D解析技術でデータ化することができる、コーチ専用のゴルフスウィング解析アプリ「スポーツボックスAI」。このアプリを活用しているゴルフコーチ・北野達郎にレジェンドゴルファー、ジャック・ニクラスのスウィングを解説してもらった。 1967年カナダカップ来日時のジャック・ニクラスのドライバー正面連続写真
こんにちは。SPORTSBOX AI 3Dスタッフコーチの北野達郎です。今回は年末年始のレジェンド特別編の第3弾として、ゴルフの「帝王」ジャック・ニクラスのドライバースウィングをスポーツボックスのデータと共に解説させて頂きます。ニクラスは未だ破られぬメジャー18勝という不滅の大記録を打ち立てたレジェンドです。そんなニクラスのスウィングは、以下の3点がポイントです。 ①クラブが天空まで届く大きなテークバック ②左ひざのニーアクションで、トップの回転が深い ③当時のギアで高弾道を実現した逆C型フィニッシュ それでは早速チェックしてみましょう!
ジャック・グラウトと作り上げた、「クラブが天空まで届く大きなテークバック」
まず最初のポイントは、「天空まで届く大きなテークバック」です。「左手首の角度」(LEAD WRIST ANGLE)に注目して下さい。バックスウィング(P3・左腕が地面と平行)の位置で、左手首の角度は138度です。スポーツボックスAIが独自で調査した、左手首の角度の海外男子ツアーレンジは、P3で111度~131度ですので、ニクラスはテークバックではコックが少ないレートコックのタイプであることがわかります。 ニクラスのジュニア時代からのコーチはジャック・グラウト(1910~1989)ですが、グラウトはニクラスに「若い時はとにかく体を使って、遠くにボールを打つことを覚えよう。真っすぐ打つことは後で学べば良い」と教えています。その教えの1つが「クラブが天空まで届くくらいにバックスウィングは大きく」というものでした。手首のコックが少ないレートコックは、クラブが描くスウィングアークを長く大きくする効果があります。ニクラスのバックスウィングは、それが忠実に現れていると言えますね。