<機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム>制作の裏側 世界に向けたこれまでにないガンダム “怖いガンダム”を表現
由良さん 実は彌富さんとは10年以上前から面識がありまして。
彌富さん 当時、米国でアニメの仕事をしていたのですが、由良さんが「涼宮ハルヒの消失」の演奏などに参加していたんです。今回また一緒にやることになったのは、たまたまなんですけど。
ーー海外展開を前提とした作品ということで大切にしたことは?
ブロスダウ監督 ガンダムシリーズでは初めて英語がメイン言語の作品になります。これまで見てこなかった人にも「ガンダム」を知ってもらわないといけません。キャラクターのしゃべり方、仕草、考え方などを含めて英語圏を含めた海外の人が分かりやすくなるようにしようとしました。
彌富さん “ガンダムらしさ”を守ることを前提にしつつ、これまで「ガンダム」を見たことのない人に向けて、この作品を単体で見ても楽しめる作品にするという二軸を目指しました。
由良さん リアリティーを大切にしようとしました。例えば、日本と海外では戦争に対する考え方が違います。ヨーロッパや米国は、日本よりも戦争が近くにあります。そのリアリティーを表現していこうとしました。
◇ガンダムは死神 オオカミのようなザク
ーー3DCGだから表現できたことは?
ブロスダウ監督 まずはモビルスーツ(MS)の大きさなどスケール感です。2Dでは難しいディテールも表現できました。
彌富さん 背景とMS、キャラクターとのバランスをうまく見せることができました。実写のような背景でMSが動き、キャラクターも存在しているという画作りが新しくできました。
由良さん アンリアル・エンジンは、リアルタイムレンダリングができるので、最終的な画をすぐに見ることができます。利点はあるのですが、このスケールのアニメで使うのは初めてなので、苦労も多かったのですが。
ーー独特のMSのデザインも話題です。
彌富さん テーマとしてあったのは“怖いガンダム”です。ジオン目線で描く作品なので、“白い悪魔”ガンダムに恐怖を感じるようなデザインにしようとしました。CGで動かすので、ディテールも見せることができます。手描きでは難しいディテールも表現しようとしました。