『FFXIV』オフィシャルバンドが振り返るここまでの歩みと周年ライブへの意気込み「THE PRIMALSのライブは相当特別です」【インタビュー】
10周年ライブでは光の戦士たちと一緒に楽しい空間を作りたい
◆9月7日には、アルバム『THE PRIMALS – Riding Home』がリリースされますね。 祖堅:2018年に1stアルバム『"THE PRIMALS"』をリリースしたのですが、そこからCDでは音源を出していなかったんです。今回、「10周年で、しかも横浜アリーナでの周年ライブもやります」と発破をかけられたので、「じゃあCDを出しますか」という流れで、アルバムのリリースが決定しました(笑)。今回のアルバムには『"THE PRIMALS"』以降に出した楽曲たちが全て収録されています。昨今はあまりCDを出すメリットもなくなってきていますが、ロックをやっていたらCDは出さないとなと思っていましたし、我々が生きた証としてCDを残しておくのは意義があると感じたので、アルバムをリリースすることにしました。 ◆アルバムには新曲「Give it All ~至天の座アルカディア:ライトヘビー級~」も収録されています。 祖堅:「Give it All ~至天の座アルカディア:ライトヘビー級~」は、開発チームから「THE PRIMALSでゲーム中の音楽を作れたらベストです」というオーダーがあった曲なんです。とは言え、ゲーム音楽はそこに至るまでのストーリーの流れや、どういう場面で流れるのかも大事なので、音楽チームで一度プランニングしてみたところ、やっぱりTHE PRIMALSでやるのがいちばんいいよねとなり、制作を進めました。これまでにあまりなかった制作のパターンでしたね。 ◆ボーカルはオルタナティブ・ロックバンド「Against The Current」のボーカリストChrissy Costanzaさんが担当されています。 祖堅:「こういう声質の人がいい」とリクエストが来たなかに、Chrissyさんがラインナップされていたんです。そこから、彼女がゲーマーという情報をたまたま入手して、それなら直接話した方が早そうだと思いさっそく声をかけてみました。そしたら、「『FF』大好きです」と言ってくださったんです。それならぜひということで、すぐにボーカルが決まりました。聞いていただければ分かると思いますが、ボーカルも含めて曲はもうバッチリです。まだ聞いていない方は、ぜひこのCDを手に取って聞いてみてください! ◆アルバムリリースと同日の9月7日には、東京ドームで開催された『FINAL FANTASY XIV Fan Festival 2024』での演奏が収録されたBlu-ray『And Back Again: Live Performances from the FINAL FANTASY XIV Fan Festival 2024』が発売となります。『FINAL FANTASY XIV Fan Festival 2024』での演奏はいかがでしたか? イワイ:東京ドームに立ててうれしかったですね。視界のなかに見える下から上まですべてが光の戦士だったので驚きました。他の会場では見られない景色が広がっていましたね。 たちばな:演奏する前から特別感はありました。他の会場とは違う独特の環境での演奏で、慣れるまでが少し大変でしたね。最初の5、6曲くらいは「これで大丈夫かな?」という疑心暗鬼のなか演奏していました。ただ、光の戦士たちが盛り上がっているのは何となく分かったので、その様子をうかがい、メンバーで「大丈夫だよね」と確認しながら演奏を続けました。貴重な体験ができましたね。 祖堅:ライブって視覚や聴覚以外にも、お客さんが盛り上がっていると伝わってくる何かがあるんですよ。それが何かは言葉にできず、感覚的なものでしかありませんが、東京ドームではそれがシャットアウトされた状態でした。不思議な空間でしたね。だから、テツさんが言っていたように最初は上手くできているのか不安でしたが、ライブに至るまで練習もたくさんしましたし、何より信頼しているメンバーだから大丈夫だと思いながら演奏していました。当時は演奏に必死でどれくらい盛り上がってくれたのか、楽しんでもらえたのかつかみ切れませんでしたが、今回のBlu-rayのミックス作業をしているときに、光の戦士たちがすごく盛り上がっている姿が映っていて、一安心しました。 GUNN:光の戦士たちが持っているペンライトの光に、ずっと照らされていたんです。あれは、たぶんもう見ることができないんだろうなというくらい、すごい景色でした。演奏は確かに苦労しましたが、いつもやっていることをその場で出して楽しんでもらえたらという一心でステージに立っていました。ぜひBlu-rayで我々の奮闘ぶりを見てください。 祖堅:今回Blu-rayをリリースするにあたって、より楽しんでいただきやすいように音をミックスし直しました。また、映像も配信時のものとはまるで別物になっています。音と映像それぞれを再編集しているので、一度生放送を見たことがある人は、違いを楽しんでみてください。めちゃくちゃよくなっていますよ。 ◆『FINAL FANTASY XIV Fan Festival 2024』の舞台裏が見られる50分ほどのBONUS CONTENTも収録されているとお聞きしました。 GUNN:面白いですよ。もうね、とにかくステージから楽屋までがめちゃくちゃ遠かったんです。何か楽屋に忘れ物をしたら「もう取りに行きたくない」と思うくらい広かったですね。そういう様子もBONUS CONTENTでチェックしてみてください。あと、ピアニストのKeiko先生の演奏もすごいから、見てね。 たちばな:それはもう、言わずもがな。 祖堅:俺らはおまけみたいなものですから、俺らはついでに見てもらえたら十分です(笑)。 ◆横浜アリーナで開催される結成10周年ライブ「THE PRIMALS Live in Japan – Darkest Before Dawn」も控えています。こちらへの意気込みをそれぞれからお願いします! GUNN:(8月の取材時点では)まだ決まっていないこともありますが、光の戦士たちが楽しんでもらえるような何かができればと考えています。もしかしたら、ビックリするようなことが起きるかもしれませんよ? とりあえず、今は放水ができるかどうか、確認中です(笑)。 たちばな:それは難しいんじゃないの(笑)。火はどうだ? 祖堅:えっ、火を出すんですか!? イワイ:風呂はどう? 祖堅:テツさんが実は足だけ熱湯風呂に浸かっていました、とか? たちばな:ゴールデンボンバーさんみたいなライブになる(笑)。 GUNN:どれができるのか、どれもできないのかは分かりませんが、それくらいいろいろなことを考えています。一緒に楽しい空間を作れたらと思っていますので、期待していてください! イワイ:今の話を聞いていても、とにかくやることが盛りだくさんになりそうです。それをどこまでやるのかも決め切れていないので、不安でいっぱいです(笑)。でも、頑張ります。 たちばな:10周年のお祭り感がありますが、演奏する側は「必死でやらなきゃ」と気合を入れて準備をしています。これまでとはまた違ったTHE PRIMALSを楽しんでもらえるんじゃないかな。さて、何ができるか。いずれにせよ、光の戦士たちが盛り上がってもらえるように準備を進めていますので、お楽しみに。 祖堅:ゲーム音楽ではありますが、ロックなライブを目指しているので、会場をロックに染めたいですね。音楽好きな方が演奏を楽しんでいただけるパフォーマンスはもちろん、ゲームをプレイした方がより一層楽しめるライブにしたいと考えているので、楽しみにしていてください。前回、幕張メッセで開催したライブに来ていただいた方なら分かると思いますが、THE PRIMALSのライブは相当特別です。初めての方はビックリして帰っていただけると思うので、今から覚悟しといてね! <PROFILE> THE PRIMALS ●ザ・プライマルズ…2014年に結成された『ファイナルファンタジーXIV』オフィシャルバンド。その活動は日本だけにとどまらず、北米、欧州、韓国、中国で開催された公式イベント「FINAL FANTASY XIV FAN FESTIVAL」でのライブを行うなど、ワールドワイドに活躍する。 ●photo/徳永徹 text/M.TOKU
M.TOKU
【関連記事】
- 『FFXIV』のファンフェスが東京ドームで開催!THE PRIMALSの魂の演奏に数万の光の戦士たちが歓声で応える
- 『FFXIV』オフィシャルバンド・THE PRIMALSインタビュー「ゲーム体験の思い出に火をつけるバンドでありたい」
- THE PRIMALS 結成10周年記念のスペシャルアイテム発売決定!『FFXIV』ファンフェスのライブもBlu-ray化
- 『FFXIV』「パッチ 6.xシリーズ」の集大成となるサウンドトラックがリリース!ゲームコンポーザー・祖堅正慶・今村貴文・石川大樹が語る制作裏話【インタビュー】
- 「音楽のテーマはダークファンタジーの王道」『FFXVI』音楽のこだわりをゲームコンポーザー・祖堅正慶・石川大樹・今村貴文に聞く【インタビュー前編】