元自衛隊員が「二十世紀梨」作りに奮闘 「訓練で熱中症気味…食べた梨の強烈なおいしさ」きっかけに転身
秋の味覚「二十世紀梨」の産地として知られる兵庫県香美町。 後継者不足に悩む中、元・自衛隊員が梨作りに挑戦しています。 ■【動画で見る】元自衛隊員が「二十世紀梨」作りに奮闘 「訓練で熱中症気味…食べた梨の強烈なおいしさ」 先月、出荷されたのは大きく育った「二十世紀梨」。 その梨作りに挑戦するのは、兵庫県香美町の宮川司さん37歳です。 長野県出身の宮川さんは、香美町が開いている「香住なしの学校」の2期生。 高齢化と後継者不足による生産量の減少などを解決しようと、去年から始まった取り組みです。
■陸上自衛隊に17年勤務した宮川さんが梨農家に転身したきっかけは
宮川さんは元々陸上自衛隊の隊員で、高校を卒業後、17年間勤務していました。 梨農家を目指したきっかけは20歳の時、自主訓練で熱中症気味になった時に食べた梨でした。 【宮川司さん】「たまたま母親がむいてくれた梨を出してくれて、食べたときの味の強烈なおいしさと甘さが忘れられなくてですね」 この取り組みでは準備資金150万円に加え、2年間の技術指導や経営知識などの研修、そして資金面もサポートが受けられる仕組みとなっています。
■机の上で習った通りにはいかないことばかり
梨の花も満開となった梨畑。この日は、初めての花粉付けです。 【宮川司さん】「座学のときに(花粉を)つけるポイントとして差し込むように表現あったんですけど」 【宮川さんを指導する駒居勝組合長】「花に触るような感じで」 【宮川司さん】「ぽんぽんぽん」 机の上で習った通りにはいかないことばかり。 【宮川司さん】「迷ってばかりでも作業すすまないんだなと」 それでも、宮川さんの梨作りへの情熱は変わりません。 【宮川司さん】「日々同じ光景がない、まわりの景色がどんどん変わって飽きる日が1日とない。作業は大変なんですが、そんな中で仕事できるのは充実感を感じる毎日です」 ことしは暑さも厳しく、カメムシの大量発生や台風対策など、農家の苦労を初めて知りました。
■ようやく迎えた収穫
先月、ようやく迎えた収穫。立派な二十世紀梨が育ちました。 【宮川司さん】「ようやく苦労がかたちになったのかなって、自分1人の力じゃなくてすごい支えてもらって、ようやくぎゅっと凝縮された梨の実なんで、感慨深いものがあります」 【宮川さんを指導する駒居勝組合長】「熱心に梨つくりに取り組んでおられるので。これからの香住なしの担い手として頑張っていただきたい」 梨づくりから広がる香美町の農業や地域の活性化。 宮川さんは、これからも思いをつなげたいと話します。
関西テレビ