少年院女子の9割にトラウマ 虐待や家族飲酒で、犯罪白書
罪を犯して少年院に入った女子の調査で、虐待や家族の飲酒問題といったトラウマ(心的外傷)になるような出来事を経験したことがある割合が94.6%に上ったことが、8日公表の2023年版犯罪白書で分かった。男子は86.8%だった。法務省は「心の傷を考慮した上で、更生に向けた支援が必要になる」と分析している。 調査は少年の特性に応じた処遇を充実させるため、法務省法務総合研究所が21年、在院する男女591人を対象に実施。特集として白書に掲載した。心身への影響が指摘される12項目の「小児期逆境体験」について、経験の有無を尋ねた。 具体的な体験は、女子では「家族から傷つく言葉などの精神的暴力を受けた」が78.6%、「家族から殴る蹴るなどの暴力を受けた」が73.2%と目立った。「家庭内のアルコール問題」は23.2%、「食事や洗濯など身の回りの世話をしてもらえない」は19.6%だった。 男子は精神的暴力が40.0%、身体的暴力が59.6%など。多くの項目で、男子より女子がトラウマ体験が多かった。