貯金1000万円、40代の公務員夫婦が「他に節税できる所はないですか?」→専門家の答えが、ぐうの音も出ない正論だった!
新しい年を迎え、改めて長期的に家計について考えている方もいらっしゃるのでは。投資、節約、保険……資産形成の方法はいろいろですが、今回ご紹介するのは「今後の収入が分かっているので、節税に努めたい」という40代のご夫婦。毎月9万円貯金しているのに、なかなか資産が増えない理由とは?(家計再生コンサルタント 横山光昭) ● 新年を迎え、確定申告シーズン到来。節税について考える あけましておめでとうございます。昨年はマネー関連でもいろいろなできごとがありましたが、今年は良い年になるといいですね。 さて、年が明けると、確定申告を意識される方が多くなります。年末調整時もそうなのですがが、1年の税額を決める最後のチャンスである確定申告の時期には、やはり「どうすると節税できるだろう」と考えてみる人が増える印象があります。 適正な節税は、税負担を減らし、手元に残るお金を増やすことができる効果的なものです。しかし「税金を安くする」ことだけにこだわり、あらゆる節税をしていると、総合的に見ると損をしてしまうこともあります。 自分たちに意味のある支出で節税することが一番良いのですが、今回紹介するTさんご夫婦のような方も、少なからずいらっしゃるのです。
● とにかく節税に熱心な公務員夫婦 「他に節税できるところはないものでしょうか」とご相談に来たTさんご夫婦は、夫(47)が地方公務員、妻(45)が準公務員のご夫婦。給与は経験年数に応じて増えるものの、職種により異なる「俸給表」で決まっているので、今後の見通しを立てやすく、貯金額もどのくらいになるか計算ができてしまうといいます。 入ってくるお金が見えているのだから、できるだけ節税をして少しでもお金を貯めて残していこうと取り組んでいるとのこと。「知っている限りのことはしているつもりだが、他に何ができるか、客観的に可能性を見てほしい」と相談に来られました。 相談に来られた時の貯蓄額は、お二人合算で約1000万円。この中には共済貯金やiDeCoも含んでいますが、大部分は銀行への預貯金です。職業柄か非常にまじめで、「リスクのある投資は避け、節税など間違いのない方法でお金を残していきたい」という方針をもっています。 毎月の貯蓄額は、およそ9万円。夫が給与天引きで共済貯金を毎月3万円積み立て、ご夫婦の手取り収入53万円(夫26万円、妻27万円)から6万円以上を貯金に。まじめな人柄と、毎月合計で9万円貯金しているという割に、貯蓄額1000万円というのは少ない印象ですが、それは3年前にマイホームを購入したから。頭金などとして800万円ほどを使っていました。 ● マイホーム購入もふるさと納税も生命保険も、すべて「節税第一」 このTさんご夫婦、本当に節税に熱心なのです。マイホーム購入時は「どうしたら住宅ローン控除を最大限に受けられるか」を考え、お二人の源泉徴収票の所得税額から家の持ち分の割合を検討してローンを組んだそうです。そして、事前準備をしっかりとし、その時に受けられる税金の軽減措置や給付金をもれなく利用できたと話します。 ほかにも、ふるさと納税ではティッシュなどの日用品や、米、保存のきく食材などを返礼品で受け取り、また所得控除目的でiDeCoを利用していたり。「他には」と問われたものの、お二人とも健康なので、せいぜいセルフメディケーション税制を活用できるかどうか、と思ったのですが、その時にちょうど生命保険の話題になりました。 お二人は年末調整で生命保険料控除を12万円受けています。新契約に基づく新生命保険、介護医療保険、新個人年金保険となる保険に、それぞれ年間8万円以上の保険料を支払い、4万円ずつの生命保険料控除を受けているのです。そのため、年間保険料の総額は、一人30万円ほど。月の保険料は5万円強にもなります。