大学の入学祝いに、祖父と叔父から「200万円」ずつもらいました。今年の「贈与税」はどうなりますか? 無税にすることもできるのでしょうか…?
親族などから「年間110万円」以上の贈与を受けると、受贈者側(お金を受け取った側)に贈与税が課せられます。複数の人から多額の贈与を受ける場合は特に贈与税が高くなってしまうのです。ただ、工夫をすれば節税も可能です。その方法をみていきましょう。 ▼子ども名義の口座に「月3万円」ずつ入金してるけど、将来口座を渡すときに「贈与税」はかかるの? 非課税にすることは可能?
一度に祝い金を受け取ると、多額の贈与税が課せられる
祖父と叔父さんから200万円ずつのお金を一度に受け取った場合、贈与税がどれほどかかるのか計算してみましょう。 贈与を受けた年の1月1日現在において18歳以上の子や孫が、直系尊属(父母・祖父母など)から贈与を受けた場合は「特例贈与財産」、直系尊属以外から贈与を受けた場合は「一般贈与財産」となり、図表1のように贈与税を計算します。 図表1
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)より筆者作成 今回のケースでは、大学生(18歳以上)が直系尊属(祖父)とそれ以外の人(叔父さん)から200万円ずつをもらいますので、次のように計算して贈与税を算出します。 (1)すべての贈与財産400万円を「一般贈与財産」として税額計算し、その半分(叔父さんからもらった200万円分)の税額を算出 400万円-110万円(基礎控除)=290万円(課税価格) 290万円×15%-10万円=33万5000円 33万5000円÷2=16万7500円 (2)すべての贈与財産を400万円「特例贈与財産」として税額計算し、その半分(祖父からもらった200万円分)の税額を算出。 400万円-110万円(基礎控除)=290万円(課税価格) 290万円×15%-10万円=33万5000円 33万5000円÷2=16万7500円 (3)(1)と(2)の合計額を求める。 16万7500円+16万7500円=33万5000円 以上の計算により、今回のケースでは33万5000円の贈与税がかかることが分かりました。 このような課税を回避するためには、「毎年110万円までの贈与であれば、贈与税がかからない」というルールを利用することが一般的です。今回の例でいえば、祖父と叔父さんからもらう祝い金を分割払いにして、2人から毎年50万円ずつ、合計で「年間100万円」を4年間にわたって受け取るという形にすれば、贈与税をゼロにすることができます。 ただし、このような分割形式で贈与を受け取る場合は、一度にまとまった金額を受け取ることができないというデメリットもあります。