能登地震で自宅がビルの下敷き、妻子亡くし川崎で居酒屋再開…拭えぬ喪失感「なんで神様は俺を生かした」
年の瀬、店では寒ブリやコウバコガニなど真冬の料理が並ぶようになった。開店前、1人で仕込みをしていると、あの日が近づいていると日に日に感じる。ふと、深い孤独感に襲われる時がある。
家族でカウントダウンをしてお祝いした年越し、お節や雑煮をみんなで囲んでくつろいでいた元日――。そんな家族との年末年始は二度と戻ってこない。
「なんで神様は、俺を生かしたのかな……」
楠さんは、その答えをまだ見つけられないでいる。