俳優・前田公輝、”あらゆる犯罪者役を演じてきた”葛藤の先に…「素を見せたほうが”本物”に近くなる」
今期の月9ドラマ『366日』(フジテレビ系)に出演する俳優・前田公輝。『天才テレビくんMAX』(NHK Eテレ)出身で、近年は『ちむどんどん』をはじめ多様なドラマ作品に連続出演している。様々な役柄を演じてきたが、一時期は悪役や犯罪者役での出演が続いたときがあり、「当初はそれが嫌でした」と振り返る。直近では山田裕貴のラジオにゲスト共演し、“陽キャすぎる”素の立ち居振る舞いが話題に。悪役が“ハマり役”と言われてきた過去、本来の自分とは正反対の役柄を演じた経験から得たものとは? 「素を見せることで、本物に近づく気がする」と、“俳優が素を見せること”を利点としてどうとらえるか話してくれた。 【写真】最近やっと人を愛せるようになったと自虐も…いい雰囲気の前田公輝&上白石萌歌
◆7歳で人生最初の挫折、でも「勝ち負けだけじゃない世界を知れた」
前田公輝がデビューしたのは6歳。受けたCMオーディションに合格し、芸能界デビューを果たす。芸能界入りのきっかけは「両親の情操教育の一環で、ピアノなどの習い事の延長線だった」と話す。 「両親がともに明るくてにぎやかな家族で、2人だけで笑い合って子どもたちが置いてけぼりになるぐらいの両親なのですが(笑)、幼少期から大人のコミュニケーション能力を覚え、社会で生きるための基礎を学ばせようと考えたようです。僕自身はテレビは宇宙ぐらい離れている次元の世界だと思っていたので、アニメの世界に自分が入るといった感覚で芸能界入りしました」 見事テレビCM出演をするが翌年のCMオーディションでは一次審査で落選。「あれが多分、僕の人生で最初の挫折だったと思います」と振り返る。 「すごく負けず嫌いな子どもでした。だから最初のオーディションに受かって勝ち誇っちゃったんでしょうね。Adoさんの曲じゃないですが当時は自分が中心に世界が回っているような感覚で、上には上がいるという、自分は最強じゃないと思い知らされました。結果、見える景色が広がったように思います」 その頃7歳。「負けることがあるんだ」ということを知った。でも物事は勝ち負けだけではない。それ以外の世界がある、表現とはそういうことじゃないという衝撃を受け、大人の階段を歩み始める。そして『天才てれびくんMAX』と出会う。