「地方公務員の年収」ランキング! 「給料が一番高い自治体」はどこ? 大都市圏以外が上位にランクインしている理由とは?
地方公務員の給料は、各地方自治体が決定しています。そのため、地域ごとに給料が異なり、ひと月当たり数万円の差がある自治体もあるようです。 どの都道府県の給料が高いのか、またその理由はなにか気になる方もいるでしょう。 この記事では、都道府県の中でも給料の高い地域TOP10とその理由について考察します。 ▼「公務員は安定している」って本当? 定年退職の割合や退職金の平均額を教えて!
地方公務員の給料が高い都道府県TOP10
令和4年地方公務員給与実態調査によると、各都道府県の地方公務員の中でも給料の高い都道府県TOP10は表1の通りです。なお、4月1日現在の基本給「平均給与月額」は、給料月額と諸手当を足した額です。 表1
※総務省統計局「令和4年地方公務員給与実態調査」を基に筆者作成
給料が高い自治体の特徴
給料が高い自治体と、ほかの自治体とではどのような点が異なるのでしょうか?表1を見ると、次の2つのことが分かります。 ●平均給料月額にはそれほど差がない ●諸手当月額が軒並み10万円を超えている それぞれ詳しく見てみましょう。 ■平均給料月額にはそれほど差がない 47都道府県の全国平均給料月額は、32万171円です。 TOP10の中で、全国平均を超えているのは6県のみであり、決して多いわけではありません。下位の自治体の中にも全国平均を超えている自治体もあることから、給与の差にはあまり影響がないことが想像できます。 ■諸手当月額が10万円を超えている自治体が多い 給料の高い都道府県TOP10に、大都市圏以外の地域も含まれている理由の1つに諸手当の額が挙げられます。さらに、TOP10の都道府県の多くは10万円を超えていますが、下位の自治体は、6万円~7万円台となっています。 理由として考えられるのは「地域手当」です。地域手当とは、都市部など物価の高い地域で働く公務員に対し支払われるもので、市区町村単位で決まっています。 計算方法は、(給料の月額+給料の特別調整額(管理職手当)+扶養手当) ×支給割合です。 支給割合はもっとも高いところで、東京都特別区(23区)の20%となっています。TOP10に入っている自治体は、地域手当が支給されるエリアが多い都道府県です。 また、人事院規則9―49(地域手当)で「成田国際空港の区域」「中部国際空港の区域」「関西国際空港の区域」に当てはまる地域でも、12%~16%の地域手当が定められています。3大都市である東京・大阪・愛知が入っているのは、このことが関係している可能性もあるでしょう。