セクシュアリティ、欲望、権力をテーマに創作 映画作家ベット・ゴードンの特集開催
セクシュアリティ、欲望、権力をテーマにした創作を行う映画作家ベット・ゴードンの特集「ベット・ゴードン エンプティニューヨーク」が、11月より東京のシアター・イメージフォーラム、今冬より大阪のシネ・ヌーヴォほか全国で順次開催。ティザービジュアルが到着した。 【画像】成人映画館で働く女性が男性客を追いかける「ヴァラエティ」場面写真 アメリカのインディペンデント映画の先駆者の1人であり、1970年代末からニューヨークのアンダーグラウンドで起こった音楽やアートのムーブメント「ノー・ウェイヴ」の周辺で活動したゴードン。本企画では彼女が1983年に発表した長編第1作「ヴァラエティ」の2K修復版、キャリア初期の実験映画作家としての側面が色濃く出ている中編「エンプティ・スーツケース」と短編「エニバディズ・ウーマン」という3本が劇場初公開される。 「ヴァラエティ」はニューヨークのポルノ映画館でチケットを売る女性が、1人の男性客と言葉を交わして以来、彼を追いかけるようになる物語。アルフレッド・ヒッチコックの「めまい」に想を得た1作であり、「血みどろ臓物ハイスクール」で知られる作家のキャシー・アッカーが脚本を手がけた。フェミニズム映画の文脈で捉えられながら、ポルノ映画館が題材になったことで物議を醸した同作。ゴードンは「男性的な空間に侵入し、それを覆したかった」と語っている。 「エンプティ・スーツケース」は、職場のあるシカゴと恋人がいるニューヨークを行き来する女性の疎外感と孤立感を考察した1作。また「エニバディズ・ウーマン」は「ヴァラエティ」のプロトタイプと言える作品で、同じポルノ映画館・Variety Photoplaysを舞台としている。タイトルはハリウッドにおける女性監督の第一人者であるドロシー・アーズナーの同名映画に由来する。 ■ ベット・ゴードン エンプティニューヨーク 2024年11月 東京都 シアター・イメージフォーラム、今冬 大阪府 シネ・ヌーヴォほか全国順次開催 ・ヴァラエティ(2K修復版) ・エンプティ・スーツケース ・エニバディズ・ウーマン