傾いた本堂や頭部落ちた仏像… 能登半島地震の生々しい現実 京都で被災地写真展開催中
宗教専門紙の文化時報社は、真宗興正派本山・興正寺の「教化センター リテラス」(京都市下京区)で「記者が見た能登-被災地報道写真展」を開催している。元日の石川・能登半島地震発生直後から10月までの間、同社記者が撮影した膨大な写真の中から約60点を厳選、被災地の現実に迫る。 傾いた寺の本堂や頭部が落ちた仏像、住民らが自主運営する避難所で炊き出しをする様子…。このほか自衛隊や消防職員らによる支援活動など、生々しい写真が新聞記事とともに並ぶ。 同社では1月4日から49日間連続で5人の記者が交代で取材にあたり、その後も継続。能登では1800カ寺以上が何らかの被害を受けているという。震災に加え9月下旬には豪雨に見舞われ、「復興は一向に進まず、町の状況は変わらない」と大橋学修記者(51)は話す。 主筆の小野木康雄社長(48)は「風化させないために、写真を通じて被災地の現実を知ってほしい」と呼びかけている。 写真展は28日まで。開場は午前10時~午後4時半で、入場無料。能登の地酒飲み比べやチャリティーバザーも同時開催し、売上金は災害ボランティア団体に寄付する。(田中幸美)