７回、井上拓真（左）を攻める堤聖也（撮影・佐々木彰尚）

　「ボクシング・ＷＢＡ世界バンタム級タイトルマッチ」（１０月１３日、有明アリーナ） 【写真】試合後、堤聖也を抱きしめる井上拓真 　王者・井上拓真（大橋）が２０１２年８月３日、インターハイ準決勝のリベンジに燃える挑戦者・堤聖也（角海老宝石）の執念に屈し、３－０の判定負けを喫した。 　拓真は試合後の記者会見で「（高校時代の）因縁どうのこうのというよりはただ単に自分が弱かったっていうだけです。判定を聞く前から負けだと思いましたね。後半辺りから相手のペースで付き合っちゃったのもありますし、ポイントを考えた上でも負けてたなとは感じましたね。全てにおいて中途半端だったなというのはすごい感じますね」と自嘲の言葉を重ねた。 　大きなポイントは１０回だ。拓真の左サイドに回った堤の左フックが顔面を直撃し、拓真はロープまで吹っ飛んだ。レフェリーはダウンを宣告し、拓真は抗議したが覆らず。所属ジムの大橋秀行会長は「スリップダウンじゃないかなと思いますけど。ダウンじゃないと思います。勢いあまってなったから」と首をかしげたが、何らかのアクションを起こすことは否定した。 　とはいえ、そこまでもロープを背負って堤の連打を浴びる場面が目立ち、拓真は「うまく動けなかったというより、中途半端で見栄えが悪かったなと感じますね」と反省。１１７－１１０、１１４－１１３、１１５－１１２という採点からすると、ダウンがとられなくてもスプリットで敗れていた可能性が高い。 　拓真は「技術面でもしっかり対策してきたんだなというのは感じましたね」としつつ、「技術うんぬんというよりも気持ちで相手が上回ってきたって感じですね。気持ちの部分ではすごい上回っていたんじゃないかな。勝敗を分けたのは気持ちの部分ですかね」と、潔く敗北を認めた。今後について、リベンジについては「ゆっくり休みたい」と話すにとどめた。