デビュー25周年アルバムが1位! 急逝から9年のZARDが愛される理由
今年デビュー25周年を迎えたZARDのオールタイムベストアルバム『ZARD Forever Best ~25th Anniversary~』が音楽チャートで快進撃を見せている。 2月10日にリリースされた同アルバムは発売から2週間以上が経った2月28日付のオリコン・デイリーアルバムチャートで1位を獲得したほか、その後もオリコン・ウィークリーアルバムチャートで4週連続のトップ10入りを果たした。
1991年2月に「Good-bye My Loneliness」でデビュー
ZARDは、故・坂井泉水さん(1967-2007)を中心とした音楽ユニットとして、91年2月10日に『Good-bye My Loneliness』でデビュー。 人気シングル曲の『負けないで』、『揺れる想い』、『マイフレンド』などがミリオンセラーを達成するも、ボーカルや作詞を手掛けていた坂井さんが2007年5月に急逝した。 坂井さんの死から間もなく9年の月日が流れるが、高品質Blu-spec CD2で発表された同アルバムが、いまだに異例のロングセールスを記録している。
『負けないで』は高校英語の教科書にも採用
93年に発売された代表曲の一つの『負けないで』は、日本テレビ系「24時間テレビ 『愛は地球を救う』」のチャリティーマラソンのコーナーで毎年のように流され、94年には選抜高等学校野球大会の入場行進曲に起用された。 さらに、2014年には高校英語の教科書「MY WAY English Communication II」(三省堂発刊)で、「An Encouraging Song(元気がでる歌)」として『負けないで』の魅力が紹介され、同教科書は全国約400の高校で採用されるなど、世代を超えて愛され続けている。 『負けないで』をはじめとしたZARDの名曲がここまで支持される理由とは何なのか? 芸能評論家の三杉武氏は語る。 「『負けないで』に関して言えば、やはり高校の教科書や『24時間テレビ』、それに学校の運動会などで起用されていることは無視できませんが、逆に言えばそれだけ頻繁に耳に入ってきても飽きられず、愛され続けている点は特筆すべき点です。坂井さんの透明感がありながら、じつは意外に力強く、それでいて押しつけがましさのない歌声、ポップでキャッチーな歌謡曲の“王道”をいっているようで、じつはロックやソウルの要素も散りばめられており、当時としては斬新なアレンジが施されたメロディーライン、そして何よりも坂井さんの単純なようで、精巧に選び抜かれた一つひとつの歌詞のフレーズおよびその配置の妙が、曲としての完成度を大いに高めていると思います」