JAXAにサイバー攻撃、情報流出・不正閲覧の可能性…メーカー・研究機関の内容も含む恐れ
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が昨年、組織内ネットワークにサイバー攻撃を受けた問題で、情報が外部に流出した可能性があることがわかった。攻撃は今年に入ってからも続いており、JAXAは文部科学省に報告して調査を進めている。現時点で、ロケットなど安全保障に関わる情報の流出は確認されていないという。
文科省などによると、昨年6月、JAXAのネットワークを管理するサーバーが不正アクセスされ、宇宙開発に関わる情報が不正に閲覧されたり、流出したりした可能性があるという。こうした情報の中には、宇宙関連のメーカーや外部の研究機関の内容なども含まれていた恐れがある。
JAXAは昨年秋、一連の被害を警察当局からの通報で把握し、内部調査を進めていた。さらに今年に入ってからも不正アクセスが確認されたという。JAXAは、関係省庁に連絡し、内閣サイバーセキュリティセンターなどの協力を得て、詳細を調べている。
盛山文部科学相は21日の閣議後の記者会見で、「JAXAで影響範囲の調査を進め、必要なネットワークの遮断をしたと聞いている。何らかの情報流出はあったが、ロケットや衛星に関わる機微な情報は含まれていない」と話した。林官房長官も同日の記者会見で、「昨年来、外部から複数の攻撃が行われた。それぞれの攻撃について、専門機関の協力を得て詳細な調査を進めている」と説明した。
JAXAの広報担当者は「関係機関、企業の皆様にご迷惑をおかけしてしまった。サイバー攻撃への対処をより強化していきたい」と話した。