「中学数学で大学入試」問題に挑戦するなら、覚えておきたい…じつは「公式は証明から理解する」と、解ける問題が爆増する…その納得のワケ
東大や京大ほか、難関大学が出題した入試問題には、「数学の本質」がいっぱい詰まっている! 「よりすぐりの良問」を格好の素材として活用する新しい学習法を紹介した『中学数学で解く大学入試問題』が話題になっています。 中学数学の限られた知識や技術で、大学入試問題がなぜ解けるのか? どう解くのか? 思考過程を重視した素朴な解法を通して、有名大学の問題が「わかる喜び」「考える楽しさ」を体感すれば、「数学的思考力」が驚くほど身につく! *本記事は、『中学数学で解く大学入試問題 数学的思考力が驚くほど身につく画期的学習法』(ブルーバックス)を抜粋・再編集したものです。
整数問題に特有の「基本的な数学の技法」
前回の記事で見た「基本的な数学の知識」がありさえすれば、多くの大学入試問題が解けるというわけではありません。やはり、できるだけ多くの問題(それも、良問であることが望ましい)を解いた経験を通して、「基本的な数学の技法」を習得することが重要です。 たとえば、整数問題に特有の「基本的な数学の技法」として、以下のものが挙げられます。 積の形をつくる不等式で範囲を絞る余りで分類する 今回は、3. の「余りで分類する」という技法がどういうものか考えてみます。 問題: 1+2+3+4+…+nと、自然数を1から順にnまで足していったとき、その和をnの多項式で示すことはできるでしょうか。 1から100までの自然数の和はいくつでしょうか? 1+100=101、2+99=101、3+98=101、… と、「50」ペアの「101」ができるので、50・101=5050 です。 しかし、この例から100だけを除き、「1から99までの自然数の和」とすると、50だけにペアの相手がありません。 和1+2+…+nがすべてペアにできるかどうかには、nの偶奇が関係しているので、整数問題の技法「3. 余りで分類する」ことにします。今回は「nの偶奇」、すなわち「2で割った余り」による分類を使います。