「約束を守って」副知事が苦言 リニア中央新幹線の静岡県専門部会 ボーリング調査中断で「情報はすみやかに」
静岡放送
リニア新幹線のトンネル工事の前の段階となる「ボーリング調査」が中断されたことについて、JR東海は12月17日、静岡県の専門部会で経緯を説明しました。森貴志副知事は、「情報を速やかに示すよう約束したことを守ってほしい」と苦言を呈しました。 【写真を見る】「約束を守って」副知事が苦言 リニア中央新幹線の静岡県専門部会 ボーリング調査中断で「情報はすみやかに」 12月17日の会議では、リニア工事で発生する残土の置き場の候補地、「ツバクロ」にある断層について、調査の結果、地震の影響を受ける活断層ではないことが示され、残土置き場として容認することが決まりました。 一方、山梨県から静岡県に向かって行われていた「ボーリング調査」が山梨県内の地質のもろい箇所で土が崩れて穴が詰まり、中断されたことについて、JR東海が詳しい経緯を説明しました。 <森貴志副知事> 「わかる情報は速やかに専門部会の委員の先生にお渡しするというお約束もあったわけですから、もう一度改めてご認識いただいて情報交換を行っていただきたいと思います」 森副知事や委員は、「情報提供の時期が適切ではなかった」と苦言を呈しました。 <JR東海中央新幹線静岡工事事務所 永長隆昭所長> 「その都度発生したことを私どもなりにはお伝えさせていただいたと思っておりますけれども、どこまでの程度のものかということは情報を出す側と受けられる側で違いがありますので、ギャップについてはなるべくお話をさせていただいて改善できることは改善していきたい」 JR東海は今後、リニア工事の作業用トンネルとなる先進坑の掘削を2025年1月にも再開し、静岡県境300メートルの地点に達するまでにリスク管理について県の合意を得るとしています。 <JR東海 丹羽俊介社長> 「委員の先生方からは、先進坑の掘削を進めることに異論はない旨のお話を頂きました。引き続きボーリング調査のデータに基づいて、山梨県、あるいは静岡県のみなさまを始めとした関係者の方々と対話をしながら、県境手前までの先進坑の掘削工事を慎重に進めてまいりたいと思います」
12月18日の定例会見で、改めて「対話」という言葉を使ったJR東海の丹羽俊介社長。リニア問題について、鈴木康友知事は就任後、スピード感を持って対応してきたと自負していますが、双方向の“コミュニケーション”にはまだ課題がありそうです。
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