映画『52ヘルツのクジラたち』トランスジェンダーの表現をめぐる監修・若林佑真さんインタビュー!
2021年に本屋大賞を受賞した町田そのこさんの小説『52ヘルツのクジラたち』が、成島出監督のもと、杉咲花さん、志尊淳さんら注目の若手俳優共演で映画化され、公開中です。志尊淳さんが演じる役がトランスジェンダー男性(出生時に割り当てられた性別が女性で、性自認が男性の人)であることから、本作にはトランスジェンダー監修(*)として、トランスジェンダーで俳優の若林佑真さんが脚本の段階から入り、志尊さんの役作りやプレスリリースの出し方にも関わっています。日本映画の新たな取り組みについて、若林さんにお話を伺いました。 【写真】映画『52ヘルツのクジラたち』出演・志尊淳さん、杉咲花さん *本作には、下記の監修者が参加しています。 トランスジェンダー監修:脚本から参加し、トランスジェンダーに関するセリフや所作などの表現を監修/LGBTQ+インクルーシブディレクター:脚本から参加し、性的マイノリティに関するセリフや所作などの表現を監修/インティマシーコーディネーター:セックスシーン、ヌードシーンなどのインティマシー(親密な)シーンの撮影現場で俳優をサポート 本作には、フラッシュバックに繋がる/ショックを受ける懸念のあるシーンが含まれます。 ご鑑賞前に公式サイトの注意をご確認ください。
トランスジェンダー男性の俳優、ジェンダー表現監修 若林佑真 1991年生まれ、大阪府出身。生まれた時に割り当てられた性別は女性で、性自認は男性のトランスジェンダー男性。 同志社大学在籍中から演技のレッスンを受け、卒業を機に上京。俳優、舞台プロデュースのほか、作品監修、講演活動など多岐にわた活動している。2022年にはドラマ『チェイサーゲーム』(テレビ東京)にトランスジェンダー当事者役として出演。 『52ヘルツのクジラたち』STORY 壮絶な痛みを抱えて、東京から海辺の街の一軒家に引っ越してきた女性・三島貴瑚(杉咲花)。自分の人生を搾取されて生きてきた彼女は、この地で母親から「ムシ」と呼ばれて虐待され、声を発することができなくなった少年と出会う。少年との交流を通して、貴瑚は自分の声なきSOSを聴き取り救ってくれた、かけがえのない存在だった、今はもう会うことができない岡田安吾(志尊淳)との日々に想いを馳せる。そして、今度は誰かの声を聴くために、前を向くーー。