F1メカ解説|やばいぞレッドブル! 優位性が消えたチャンピオンチーム、ライバルに追いつくために新旧パーツを続々投入する試行錯誤
レッドブルRB20のミラー比較
コクピット周辺にも変更が加えられた。特筆すべきは、新たに追加されたミラーステーとフィンである。これによりチームは、車体に沿って流れる気流の挙動に、若干の調整を加えようとしている。 これはハンガリーで初めて使われ、オランダで再び登場したサイドポンツーンとエンジンカウルの変更に対応したモノであると思われる。 配置にもいくつかの違いがある。写真の左側が新仕様、右が旧仕様である。 路面に水平に設けられているミラーステーは、ミラー本体に直接接続されず、本体の内側に設けられた調整板に繋がれている(白い矢印)。これにより整流効果のあるエレメントがひとつ追加されたことになり、サイドポンツーンの上を流れる気流により積極的に関与しているのだろう。 ミラー本体を真下から支えるステー(赤い矢印)は、以前は前後長の長いモノが使われていた。しかし最新仕様ではこの長さが短くなっており、サイドポンツーンのショルダー部分の気流に変化を加えているのだろう。 またヘイローの付け根部分には、フェアリングの外側に小さなウイングレットがつけられていた。しかし新仕様ではこれが排除。代わりに、垂直のフィンがコクピット横の吸気口上に設けられることになった。このフィンは上半分はヘイローのフェアリングの形状に合わせて、曲線を描いている。 なおオランダGPでレッドブルは、2台のマシンのダウンフォースレベルにも差をつけ、比較テストを行なった。 フェルスタッペンはハンガリーで走らせたのと同じように、ハイダウンフォース仕様のリヤウイングを装着。一方でペレスは、スパと同様にローダウンフォース仕様の空力セッティングだった。
Matt Somerfield