帝京長岡、破壊力抜群の攻撃スタイルで開志学園JSCを撃破し3大会連続で夏の全国へ
令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)新潟予選決勝が6月2日に行われた。激しい雨が降り続ける悪天候の中、帝京長岡が開志学園JSCを5-0で下して3大会連続8度目のインターハイ出場権を獲得した。 【フォトギャラリー】帝京長岡 vs 開志学園JSC 立ち上がりに猛攻を仕掛けたのは開志学園JSC。2分、FW阿部日夏太(3年)が圧倒的なスピードを生かして相手最終ラインの背後に抜け出し、帝京長岡GK小林脩晃(3年)と1対1を迎えるも、コースをうまく切られてシュートは枠を大きく外す。続く8分には阿部がハーフウエーライン付近から超ロングシュート。ゴールバーのわずか上を通過し先制点は奪えなかったが、集まった700人の観客の度肝を抜く。9分にも阿部がゴール付近でこぼれ球に反応して右足を振るなど、積極的な姿勢を見せる。 前半15分過ぎまでは開志学園JSCペースで進んだが、次第に帝京長岡が主導権を握り始める。悪天候の中、GK小林を交えた後方からのビルドアップで前進。選手同士がつながり始めると18分。MF和食陽向(1年)からパスを受けた左サイドバック池田遼(3年)が山なりのクロスを配球。そこにフリーで走り込んだ右サイドバック遠藤琉晟(3年)が右足ボレーで合わせ、華麗に先制点を奪う。 勢いづいた「緑の軍団」は一気に試合を決めにかかる。先制からわずか2分後。個人技とパスワークで左から右にピッチを横断するようにボールを運ぶと、攻撃参加した遠藤が右足ミドルを放つ。開志学園JSCのGK水野功規(3年)も反応するが、FW新納大吾(3年)がこぼれ球をプッシュしてリードを2点に広げる。その後、帝京長岡はレフティーコンビの和食とMF和田陸(3年)、2ボランチのMF水川昌志(3年)とMF香西大河(3年)が中盤を支配。面白いようにパスをつないでゲームをコントロールする。 後半の立ち上がりは開志学園JSCがセットプレーから好機を探るが、帝京長岡の固い守備を崩せない。次第に雨が強くなり、互いに決定機を作れずにいたが56分、帝京長岡は途中出場のFW柳田夢輝(3年)の左CKをFW安野匠(3年)が頭で合わせてスコア3-0。61分には再び柳田のCKからDF下田蒼太朗(3年)がヘディングシュートを決めて4点目。63分には安野がこの日2点目を決め、ゴールラッシュにピリオドを打った。 大量5得点を奪い、インターハイ出場権を獲得した帝京長岡の古沢徹監督(38)は「立ち上がりの入り方、天候を含めて少し焦るかと思ったが、選手がよく対応してくれた。下で(パスを)繋ぎ始めてから良くなった」。普段は同じポジションを競わせるレフティー同士の和田と和食のダブル起用については「相手の選手間でボールを引き出せる2人。うまく回りと関わりながらパスを繋いでくれた。良くやったが、欲を言えば点を取って欲しかったですね」と笑顔で注文を出した。 この日2ゴールの安野は予選9得点。目標の2桁得点にはあと一歩及ばなかったが、決定力、推進力を生かしたドリブル、前線からの激しい守備で3連覇に大きく貢献した。「うちの目標は県大会優勝ではなく全国制覇。インターハイでは10得点し、日本一を獲得したい」。チームは予選5試合で23得点。破壊力抜群の攻撃スタイルで全国の強豪に真っ向勝負を挑む。 (文・写真=編集部)