パウエル議長、トランプ氏に従わない可能性示唆-FRB保護のためなら
トランプ氏は一段と積極的な関税の賦課、不法移民の取り締まり強化、減税の延長を約束しており、これらの政策は物価と長期金利に上昇圧力を加える可能性がある。
パウエル議長は、今後の政策決定は新たに入手する経済データ次第であり、金融当局は財政政策や通商政策を予測しようとはしないと繰り返した。
議長は「政策変更の時期や内容についてはどうなるか分からない」と発言。「このため、経済にどのような影響があるのか、具体的に言えばそうした政策が最大限の雇用確保と物価安定というわれわれの目標変数の達成に影響するのか、影響があるとすればどの程度になるのかについては分からない」と語った。
スティーフル・ファイナンシャルのチーフエコノミスト、リンゼー・ピエグザ氏は、議長は将来の追加利下げを約束したが、その時間軸は明言しなかったとコメント。「データがこれまでと同じように堅調で、インフレが引き続き粘り強いものであれば、12月の会合で政策一時停止の可能性」を議長は残したと、ピエグザ氏は解説した。
パウエル議長は、経済が予想より好調であることを指摘し、9月のインフレ率が望んでいたよりも高かったことを指摘した。
議長は、全ての選択肢はテーブルの上に残されていると述べたが、この発言は当局が年内最後の12月会合で利下げを一時停止する可能性に扉を開くものだ。「12月に入れば判断を下すだろう」とし、それまでに当局者はより多くのデータを得るだろうと議長は付け加えた。
原題:Powell Signals Readiness to Defy Trump in Defense of Fed(抜粋)
--取材協力:Jonnelle Marte、Amara Omeokwe、Craig Torres、Joe Mathieu、Iain Marlow.
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Catarina Saraiva