都内では珍しいうなぎの「地焼き」と「せいろ蒸し」を味わえる新たな鰻専門店『北白川』とは
●半蔵門線・永田町駅近くに4月15日、鰻専門店『北白川』がオープン。関西流の「地焼き」と福岡県・柳川の郷土料理「せいろ蒸し」を提供する。
早くも名店の予感がするうなぎ専門店『北白川』が、半蔵門線・永田町駅3番出口すぐに店を構えました。内装はイギリスのアンティーク家具で揃え、テーブル席の他、個室や土地柄VIPルームも完備した落ち着いた雰囲気です。 うなぎの「地焼き」と「せいろ蒸し」を味わえる新たな鰻専門店『北白川』の関連画像
さぞお高いのでは……と構えてしまいそうですが、3850円からと手の届く価格設定。そして、東京では珍しい“地焼き”スタイルのうなぎを提案しています。どのような特徴があるか、焼き場を見学してきました。
串に刺したうなぎをバタバタ折り曲げて焼く
関東のうなぎは一度蒸してから焼くのが主流ですが、関西の地焼きは腹開きにしたうなぎを生のまま火入れ、時折、水を差しながら味を凝縮させるように焼き上げます。 さらに『北白川』では、バタバタとうなぎを折り曲げながら焼きます。こんなに豪快に折って大丈夫かと初見では心配になりましたが、徐々に皮目はパリッとまんべんなく焼かれ、身は盛り上がるようにふかふかの焼き上がりに。職人の技に思わず唸りました。
タレは醤油の香りがきいていて、甘みの抑えた関東風。キャラメリゼされたようにこっくりとしていて、噛むほどに旨味が溢れます。 バタバタ折り曲げて焼くと、皮の間のゼラチン質に傷がつき、ぬるっとした食感が消え、小骨も焼き切るように火を入れるので、非常に食べやすい口当たりです。
お重より好きになるかも……福岡・柳川の「せいろ蒸し」
そして福岡・柳川の郷土料理、鰻の「せいろ蒸し」が食べられるのも魅力の一つ。九州でうなぎと言うと、「せいろ蒸し」を差すほどに浸透している食べ方です。 『北白川』では、芯が残らないギリギリの硬さで米を炊き、タレで味付けをしてから、うなぎと錦糸卵と一緒にせいろで蒸し上げます。 蓋を開けると、まるで玉手箱のように湯気が立ち上がり、ツヤツヤのうなぎがお目見え。一緒に蒸すことでうなぎとご飯の一体感が出て、お重と比べて食べやすさが増していますので、うなぎを初めて食べるインバウンダーにも薦めやすい一品です。 さて、メニュー名と価格を見て、お気付きの方もいらっしゃったことでしょう。そうなのです、松竹梅が逆になっているのです。うなぎ専門店ならではだそうで、「注文するときや誰かにごちそうするときに格好がつく」というお店の粋な計らいです。