東日本大震災のがれき使った「復活の薪」 震災後に移住してきた若者たちの暮らしに暖かさを届ける 岩手・大槌町
兵庫県出身の大場さんは築70年余りの古民家を借りて暮らしています。今年も薪ストーブに火を入れる季節になりました。ストーブはホームセンターで購入して玄関の土間に設置し、知り合いに教わりながら煙突も自分で取り付けました。 (大場理幹さん) 「部屋をあっためるのにむちゃ短い時間ですぐ暖まりきるなと思います。灯油のストーブはいつまでたっても部屋暖かくならないかな、みたいな時がありますけど、薪は暖まり始めるとすごく早いので」 慣れた手つきで薪を割りあっという間にストーブに火を入れる大場さん。森林に囲まれ木材資源が豊富な大槌での暮らしに薪ストーブは欠かせないと話します。 (大場理幹さん) 「これだけ山に囲まれたところに住んでいて林業やる人がいれば、むしろ理にかなった選択肢としての薪ストーブという。安くて暖かくて早いし料理できるし…」 吉里吉里国の代表を務める松永いづみさんは東京都出身です。 2012年に震災ボランティアとして大槌を訪れ、翌年に地元の男性と結婚して移住しました。 これからも大好きな大槌の自然とともに暮らしていくと言います。 (松永いづみさん) 「人間の営みというのがそもそも火を起こしたところから始まっているように。 これからここに住む人たちにも、そこを忘れずに私もいっしょに育っていけたらいいなと思います」 東日本大震災から13年目の冬支度を迎えた大槌町吉里吉里の「復活の薪」。 薪はこれからも震災の記憶とともに暖かさを人々に届けます。
IBC岩手放送