高野連・八田会長、完全復活へ決意 センバツ「選手が安心できる環境作る」
29日の選抜高校野球選考委員会で一般選考28校、21世紀枠4校の出場が決まった。日本高校野球連盟の八田英二会長が選考委員会総会の冒頭で、2年ぶりの開催となるセンバツに向けた思いを語った。 【センバツ出場校決定】運命決めた選考の様子 「32校には昨年、出られなかった出場校の思いや今回選出されなかった学校の思いを受け止め、万全の準備で開幕に臨んでほしい」 昨年3月11日。新型コロナウイルス感染拡大によるセンバツ中止の記者会見で、八田会長は「選手の健康、安全が第一」として苦渋の決断を下し、「甲子園の土を踏ませたい」と救済措置について言及した。その形が8月、昨年大会出場32校による原則、無観客の甲子園交流試合となって実現した。八田会長は「高野連の挑戦であり、新たな挑戦に向かう球児へのメッセージ」として位置付けた。感染防止を優先しトーナメント形式ではなく、各校1試合のみだったが、感染者を出すことなく無事に大会を終えることができた。 この日の選抜選考委員会も史上初のオンラインで開催され、甲子園がある兵庫県でも緊急事態宣言が発令されるなど感染状況は予断を許さない。今春のセンバツは現在、感染対策などを講じた上で観客を入れる方向で準備を進めている。 選考委員会後の記者会見でも、八田会長は「決定ではないが、PCR検査も視野に入れ、選手の健康管理に最大限配慮する。選手が安心してプレーできる環境を作るのが今回の最大の課題。昨年の経験、知見を生かしたいという堅い決意で臨む」と表明した。春はセンバツから――。その言葉通り、高校野球の完全復活への第一歩としたい。【安田光高】