「実の母じゃないと聞かされた進次郎は…」 叔父が明かす小泉進次郎の知られざる素顔
「10日ほどでこんなに成長するのか」
こうして超難関大学への留学を果たした進次郎氏は猛勉強の末、2006年5月に政治学の修士号を取得。翌月にはワシントンにあるシンクタンク「戦略国際問題研究所」(CSIS)に就職した。学歴、経歴に箔をつけることに成功した進次郎氏は07年9月、純一郎氏の秘書に就任。父親の跡を継いで衆議院選挙に初出馬したのは、その約2年後のことだった。 「進次郎は最初、街頭演説でも何を言っているのか分かりませんでした。しかし、聞いていると日に日に演説が達者になっていくのが面白かったですね」 そう振り返るのは、自民党神奈川県連の関係者だ。 「有名な話ですが、ポケットにICレコーダーを入れて自分の演説を録音し、後で聞き直して改善点を探していた。選挙戦の終盤には、前年にあった北京五輪にかけて“ウサイン・ボルトのように私も最後まで駆け抜けます”ということまで言えるようになっていた。10日ほどでこんなに成長するのかと驚きました」 遊説先の方言や名産品をうまく話の中に取り入れ、聴衆を沸かせる進次郎氏の演説。その片鱗は最初の選挙の時にすでに現れていたのだ。
スピーチが得意な父を意識
後に彼は「落語を楽しみ、学ぶ国会議員の会」の発起人となっているが、 「思うに進次郎君は、落語を自分のスピーチに生かしたいという狙いがあったのではないかな。お父さんもスピーチが得意だったから、余計に意識するところがあったんでしょう」 同会に名を連ねていた河村建夫元官房長官はそう推し量る。 「ただ、あのお父さんのマネはなかなかできないよ。ある時、(私の地元にある)吉田松陰の家の跡地を一緒に訪れたことがあったのですが、純一郎さんは“玄関はどこにあるんだ”と聞いてね。そこに立つと何もないところで扉を開けるまねをして“松陰先生いますか、小泉純一郎ただ今参りました!”って大声で言うんだよ。他の観光客がびっくりしちゃってね。それくらい強烈なキャラクターなんだよ」 父親のような「クセの強さ」はないものの、若くて見栄えがよく、演説もうまい。となれば、応援演説にひっぱりだこになるのは必然である。 後編【「純一郎さんは今回の出馬に反対している」 小泉進次郎氏が不安視される理由 「妻の滝川クリステルさんがアキレス腱に」】では、本人のやる気とは裏腹に、進次郎氏の周囲が出馬を不安視している理由について報じている。 「週刊新潮」2024年9月5日号 掲載
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