無資格検査問題でIHIの満岡社長が会見(全文2)記録の精緻化で負荷が増加
整備事業の拡大に検査員数が追いつかなかったのでは?
日経 xTECH:日経 xTECHの【近岡 00:28:19】と申します。御社は整備事業をスケールさせるっていうふうに報じられているわけですけど、整備事業の売り上げを拡大させるっていうのを狙っていらっしゃったと思うんですけれども、そこの経営判断に対して検査員の数が足りなかった、追い付かなかったということはないんでしょうか、というのが1つです。 もう1つなんですが、今回、組み立て、外観検査員でしたっけね、の不正でしたけれども、検査員を育成するのにどれぐらいの期間っていうのが必要なんでしょうか。 識名:整備事業を拡大していくという方向性に対して検査員が足りなかったのかというふうなことは、今回こういう事象が発覚したという現実に鑑みますと、それはそうであったというふうに思っております。先ほども申しましたように人を増やしてきたわけですけれども、それが追い付かなかったということです。 育成するのにどれくらい時間が掛かるかというご質問ですけれども、私ども最低1年の経験を得て、社内の検査員としての資格を付与して、その1年の経験とそれから座学、それからいろんな試験を受けて検査員に任命するというふうな形にしております。 日経 xTECH:つまり検査員が足りないっていうことを考えずに、足りなくなるかもしれないっていうことを考えずに、経営判断で事業を大きくしようというふうにしちゃったということなんですか。検査員を後回しにしたということなんですか。 識名:いえ、先ほども申しましたように検査員というのは、人数として増やしてきたわけですけれども、それが結果として足りずに、いわゆる訓練生、資格をまだ持っていない人がもちろん訓練するために実務的な経験を積ませなきゃいけないので、いわゆる訓練の、私どもOJTと、On-the-Job Trainingと呼んでますけども、検査を、経験を積ませるためにいろんな手伝いをさせるわけですけども、そのどこまで手伝っていいかというところが少しずつ、最初は丁寧に横にいて、簡単な作業から任せる、任せるというかやらせるわけですけども、それがだんだん習熟してくるに従って、その範囲が広くなって、最後は最後までやってみて、自分のはんこを押しといたよと、こういうところまでいってしまったというところが実際起こったことでございます。 満岡:ちょっといいですか。少し補足させていただきます。背景としてどういったものがあった、それから最後のところで再発防止の策、まだ調査中ではございますけれども、どういった再発防止策を取るかっていうご説明をいたしました。1つ目がコンプライアンス、2つ目が安全管理体制、3つ目が業務規定実施体制の見直しと。実は今のお話に関連いたしますと、本当ですと【切れる 00:32:29】前の段階で、そういう職場の声がいかにみんなで共有できて、それでそれが課題としてうまく認識されて、そこでまたアクションが取られる。これが普通のいい意味でのPDCAが回るというサイクルでございます。 もともと航空の分野、いろいろなところでもって投資をしてまいりました。それから人のほうも増やしてまいりました。その中で今回の場合は、そこのある意味、職場の声が上がりきらずに、風土、風通し的なものなりを吸い上げられていれば、1年前、2年前、3年前、いろいろな時点でもって、いろいろな対応の取り方があったと。今回このような事態に至りまして、大変重大であるというふうに当初、冒頭、私、受け止めております。全てゼロリセットした形でもってあるべき姿をもう一度、再定義した上でもってコンプライアンス的にも、また安全管理体制的にも、風土的にもどう焼き直すかというのを再発防止として今まさに検討を詰めているところでございます。ご理解のほどをお願いいたします。以上です。 司会:ほかございますか。