ユニリーバやキリンなど10社「プラ生産・使用制限に世界共通ルールを」
プラスチック条約の制定に向けた政府間交渉委員会第5回会合(INC-5)が11月25日から韓国・釜山で開かれる。それに先立ち、日本の「国際プラスチック条約 企業連合」が11月18日、小泉進次郎・衆議院議員らと意見交換を行った。ユニリーバ・ジャパンやキリンなど10社が、プラの生産や使用制限に関して、世界共通のルールづくりを進めるように求めた。(オルタナ副編集長=吉田広子) 2022年3月に開かれた国連環境総会で、「プラスチック汚染に関する法的拘束力のある国際文書(条約)」を採択することが決まった。5回目の会合となるINC-5で、条約が制定される予定だ。 EU(欧州連合)などは、プラスチック汚染を防ぐには、プラスチックの原料となる一次ポリマーの生産規制や、問題のあるプラスチック製品に対する規制が必要だと主張する。一方で、産油国の中東諸国、中国、インドなどは規制に反対する。 日本は、2023年のG7で「2040年までに追加的なプラスチック汚染をゼロにする野心」に合意したものの、一律の生産規制には反対の立場だ。政府は「プラスチックのライフサイクル全体での取り組みを通じ、プラスチック汚染を防ぐべき」と主張する。 11月18日には、大阪・ブルー・オーシャン・ビジョン推進議員連盟の総会が開かれ、日本の企業連合が提言を行った。企業連合は、「問題があり回避可能なプラスチック製品」や懸念ある化学物質、循環可能な製品設計に関して、世界共通の法的拘束力のある措置を導入することを求めた。 「問題があり回避可能なプラスチック製品」の定義はまだ定まっていないが、使い捨てプラ製品や容器包装、タバコのフィルターなどが該当する。 議連の会長を務める小泉進次郎・衆議院議員は「企業の高い野心を確認したが、プラスチック条約は、各国の利害が対立する難しい交渉だ」と話した。「日本は、欧州のような『上流』での規制を支持していない。『条約のない世界』から『条約のある世界』に移行するうえで、各国が不満なところがあったとしても、まずはまとめることが重要なのではないか」と続けた。