「 “氷河期 ” のまま人生を終わらせたくない!」就職難だった時代を、乗り越えてきた更年期世代。たどり着いた境地とは
心理カウンセラーの岡部 愛です。今日は、「失われた30年」の影響をもろに受けた、40代から50代の世代について考えてみましょう。かくゆう私もこの世代に入ります。 【データ】共働き世帯と専業主婦世帯、割合は? 女性が働きづらさを感じている原因は? 2024年の現在、この世代はアラフィフ前後になっています。体力、能力的に大きな岐路に立たされている年齢にさしかかっています。そしてこの先、これまでの経験値を活かして生きていくことが求められます。
ロスジェネ世代って?
ロスジェネ世代は、就職氷河期を経てきた世代でもあります。バブル崩壊から約10年間の期間に就職活動をした1970年~1984年頃に生まれた人々のことを指して呼ばれることが多いようです。 学校を卒業してもなかなか正社員になれず、非正規雇用を長く続けている人も少なくありません。たまたま正社員になれたとしても、上の世代のように昇進もままならず、給与も待遇も「時代の変化」を受け続けています。 この世代は、なにかと抑圧された時代を過ごしてきました。上司である、高度成長期をのし上がってきたパワフルな団塊世代に圧倒され、きらびやかな時代を過ごしてきたバブル世代にはうんざり。さらに部下である、ゆとり世代以降の若者たちのどこか開き直り感さえある考え方や態度にモヤモヤさせられる世代が今の40~50代です。 「ロスジェネ」とは、「ロストジェネレーション」の略。非正規雇用の多さ、非婚率の高さ、出生率の低さ、年収の減額などなど、まさに「ロスト」=失われた世代なのです。そのせいか、独特の虚無感を持った世代でもあるのです。 今でも団塊世代がよく使う「自己実現する!」という言葉がありますが、それに対してロスジェネ世代は「自己実現する!」という機会に恵まれなかった世代とも言えます。 以前の日本では、「就職」「昇進」「結婚」「出産」というのは、誰もが経験するものという考えがありました。 ですがロスジェネ世代にとっては、もはやその常識とやらは贅沢なものになってしまったのです。仕事や組織、家族、そして自分自身にとって、上の世代がかつて当たり前に得ることができていたものを容易に得ることができない、それらは個々の努力ではどうにもならない面もあるという虚無感を抱えているです。 もし、なんとかパートナーを見つけることができて、家庭を持ったとします。しかしそこには、この世代特有のつらさがあります。 ・仕事が忙しくて家族と過ごすことができない ・給料がなかなか上がらない、または減っていく世界の世相に合わせて減ってしまったりします) ・なかなか昇進することができない ・本当にやりたい仕事に就けなくて、転職を繰り返す ・自分の評価が他人より頑張っても上がらない 働き盛りの年齢だけに、虚無感の原因は仕事にかかわることや、家族にかかわること、パートナーにかかわることなど、人それぞれ違いますが、その背景には「自分の求めていたものが手に入らない」という失望感があります。 本記事では、ロスジェネ世代のこれまでの歩みと心情について、心理カウンセラーの岡部 愛さんに語っていただきました。【後編】では、「勝ち組」「負け組」のとらえ方、ロスジェネ世代がこれから先の人生を楽しむための心持ちについて伺います。 ▶つづきの【後編】を読む▶ 『わりを食ってきた世代、今の40~50代。人生を「氷河期」のままで終わらせないために、これからしたいたった1つのこと』
心理カウンセラー 岡部愛