マカオで今年24例目の輸入性デング熱感染確認…患者に広東省中山市渡航歴
マカオ政府衛生局(SSM)は11月2日夜、マカオ域内で今年(2024年)24例目となる輸入性デング熱感染例を確認したと発表。 同局によれば、患者はマカオ半島の沙欄仔街花王堂巷(世界遺産・聖アントニオ教会近く)にあるマンションに暮らすマカオ居民の女性(52)で、10月11日から12日にかけて家族とともに親族訪問のため広東省中山市へ渡航。マカオへ戻った後、10月25日に筋肉痛と倦怠感の症状が現れ、28日には発熱も加わったことから私立のクリニックを受診。11月1日、症状が持続したため、私立総合病院にあたる鏡湖醫院を受診した際、入院治療を受けることになり、同院で受検した血液サンプル検査結果が2日に判明し、デング熱Ⅰ型に感染していることが確認されたという。 目下、患者の容体は安定しているとのこと。患者は同局の疫学調査に対し、発症後にマカオの公園を訪れたり野外活動に参加したことはなく、同住の家族に体調不良は出現していないと説明。 同局では、患者の渡航歴、発症時間、検査結果を踏まえ、輸入性デング熱であると判断。速やかに患者のマカオの自宅及び主な活動場所周辺に職員を派遣して予防措置としての蚊の駆除を実施するとした。 このほか、同局は10月31日に中国本土でデング熱感染確認された患者にマカオ渡航歴があったことを受け、マカオの高リスクエリアを対象とした症例捜索を実施し、1日に輸入関連性当地感染例の発見につながった。捜索は10月31日、11月1日の2日間にわたって行われ、1700世帯、ビル128棟、路面店121店舗が対象とされたが、上述以外の症例の発見はなかったとのこと。 昨年のマカオにおけるデング熱感染確認は7例で、すべて輸入性だったが、今年は輸入性が2月(1件)、5月(1件)、6月(2件)、7月(1件)、10月(18例)、11月(1例)の計24例に達しているほか、当地感染確認も今回のケースを含めて2例(10月と11月)あった。 今年の輸入性感染確認は10月以降に急増しており、大半にマカオと相互往来が頻繁な広東省の中山市または仏山市滞在歴があったことがわかっている。同局では、依然としてデング熱の伝播シーズンにあたり、広東省で比較的多くの当地感染例が出現していることから、状況を軽視せず、予防策の強化に努めてほしいと累次の呼びかけを続けている。