【アンティークのロレックスが欲しい】でも何を買ったらいいのか[2]|手巻きオイスターを狙う
界唯一のアンティーク時計の専門誌「ロービート(LowBEAT)」編集部が毎週水曜日にお届けしているアンティーク時計初心者向けの入門記事。2025年最初の記事は一番に反響の大きかった「何を買ったらいいのか?」ロレックス編の続きを書きたいと思う。 【画像】手巻きのオイスターをもっと見る その記事で狙い目ポイントして挙げたのがムーヴメント。手巻き式であれば1200系、自動巻き式であれば1500系を目安に考えるということだった。そこで今回は手巻きの1200系についてもう少し詳しく取り上げる。 前回も触れているが、販売されている時計が手巻きか自動巻きかは簡単に見分けられる。それは文字盤の12時位置に表示されているモデル名にOYSTER(オイスター)の次にPERPETUAL(パーペチュアル)の記載があるかどうかだ。オイスターとは防水ケースを意味し、パーペチュアルとは自動巻き機構のことを指す。つまり手巻きモデルにはこのPERPETUALという文字がなくOYSTERだけなのだ。 さて手巻きのオイスターの魅力は大きく二つある。ひとつは自動巻きに比べて薄くて軽いため着けやすいということ。サイズは30mmのボーイズと34mmのメンズの2種類があり、どちらも小振りのためスーツスタイルにバッチリ決まる。 トップの写真のように、革ベルトタイプだと、スポーティなブレスタイプとは趣がだいぶ異なり、ぐっと大人っぽく落ち着いた印象に変わる。加えて生産期間も50年代から80年代までとかなりのロングセラーだったこともあり、製造数も多く比較的流通量も多い。そのため年代によってはアンティーク色の強いものから、現代に近いベーシックなものまで、デザインや雰囲気もだいぶ変わり選択肢の幅の広さも魅力のひとつだ。
手巻きの1200系はシンプルな設計で壊れにくく、メンテナンス費用も安い
そして二つめは、搭載されている手巻きムーヴメント(写真)が優秀だということ。1200系はそもそもロレックスの自動巻きのベースムーヴメントとして開発されたものの最終形と言われる。そのため完成度は極めて高い。 40年近くも生産されていることからも、いかに完成度が高かったかがわかるだろう。しかも、構造がシンプルなために壊れにくく、メンテナンス費用も抑えられるため、アンティークとはいえ初心者にもリスクは少ないのだ。 この1200系だが、1950年に最初に作られたのはCal.1210(デイト表示付きは1215)。その後1967年頃に改良が加えられてCal.1220(デイト表示付きは1225)に変更された。最大の違いは毎時1万8000振動から毎時1万9800振動に振動数が高められた点だ。もちろん、振動数が高い方が精度は安定する。そのため購入の際はこの点もチェックするといいだろう。実勢価格は革ベルトなら30万円台後半から流通する。 文◎LowBEAT編集部
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