飲み水のPFAS基準値は世界各国より大幅に緩い「1リットルあたり50ナノグラム」にと発表、このまま認められるのか
来年の春には正式決定へ
基準値が適用されるのは2026年4月1日とされる。 環境省の担当者は、まだ水質検査をしていない水道事業者や専用水道(大型井戸)の設置者が対応を取らなければならなくなる可能性があり、検査頻度が増えるため検査会社も準備に時間がかかるとして、「一定の猶予期間が必要」との見解を示した。 初めて目標値が設けられた2020年当時、「PFOSとPFOAの合計で50ナノグラム」というのはEPAより低く、世界でもっとも厳しいレベルのものだった。 だが、このまま基準値になれば、世界的なPFAS規制の潮流から大きく遅れをとることになる。規制が緩く、遅いだけでなく、PFOS、PFOAの代わりに使われている物質はいまも対象に入っていない。 環境省は今後、中央環境審議会の了承をえた後、食品安全委員会に諮問して答申をえたら、パブリックコメントを経たうえで春ごろまでに正式決定したい、としている。一度決まれば当面、見直されることはない。 日本のPFAS政策の基軸となる飲み水の基準値はこのまま認められるのか。 筆者:諸永裕司(もろなが・ゆうじ) スローニュースで『諸永裕司のPFASウオッチ』を毎週連載中。(https://slownews.com/m/mf238c15a2f9e) ご意見・情報提供はこちらまで pfas.moro2022@gmail.com
諸永裕司