「贈って能登応援品」人気 石川、富山の百貨店で歳暮商戦が終盤 年末年始は「ゆっくり」自宅用も好調
石川、富山両県の百貨店で、歳暮商戦が終盤戦に突入している。各店舗では能登の食材を使った商品の人気が目立ち、少しでも復興支援を後押ししようとする購買層の機運が、売り上げにつながっている。自宅用として菓子類を買い求めるケースも多く、関係者は「震災から1年となる正月を家族や親戚とゆっくり過ごす人が多いのではないか」とみている。 金沢市の香林坊大和では、地元産品から3種類を自由に組み合わせる「北陸こづつみ」が一番人気となっている。選べる商品には、北陸三県の自慢の味を取りそろえた。受け取った人が好きな品物を選べるカタログギフト「美味リクエスト便」も好評だ。 これらの定番に加え、今年はすき焼き用の能登牛といった能登にちなんだ商品も上位となっている。担当者は「食べて能登を応援しようと、普段歳暮を贈らない人も今年は買っているのではないか」と推測した。最終的な売れ行きも前年を超える見通しだ。 同市の金沢エムザでもカタログの巻頭に掲載した「能登特集」の反響が大きく、一部の商品は欠品と増産を繰り返している。特集に盛り込んだ商品としては、北陸特有の赤巻かまぼこや車麩などが入った「能登半島 加賀おでん詰め合わせ」が特に人気で、オンラインショップで一番の売れ筋商品となっている。 同店では全国から直送する「全国うまいもん特選ギフト」などで、少人数向けの売れ行きが伸びている。のしを付けない注文もあり、担当者は「年末年始に自宅用として買い求めているケースも見られる」と話した。 富山市の富山大和は恒例のお歳暮ギフトセンターを11月に開設し、カタログに掲載されている1150点のうち、約700点を展示している。ジャンル別の人気商品では、氷見うどんやかぶら寿司、純米酒セットなど富山産品が上位を占める。 担当者は、今年は能登半島地震や北陸新幹線の延伸もあり、北陸の逸品を重点的に並べたとし「近年は地元商品の売り上げが上がっている。価格帯より地元のおいしい商品を贈りたいと考える人が増えている」と語った。