「200万円を借金してでも20代を充実させる」大手商社マンの「危ない家計」を絶対に真似してはいけないワケ
「時は金なり」。この言葉の意味をしばしば考えることがある。 大学院卒業後に就職で上京して4年目。恥ずかしながら筆者は、今日まで家計管理に何度も苦労してきた。飲み会の帰り、仕事で疲れたことを理由に自宅までタクシーを利用したり、自炊が面倒になり出前アプリを使いすぎてしまったり……。ある日積み重なった請求金額を見て、笑えないほどの窮地に陥った苦い思い出もあるほどだ。 【マンガ】38歳会社員が絶句…2500万の「軽井沢の別荘」を買ったら「大後悔」 周囲の働く同世代も「今が一番楽しい時間」と銘打って夜な夜な出かけたり、旅行に行ったりするものの、経済的に家計が追いつかず苦しんでいると嘆く。 「みんなも苦労しながらなんとかやっている」ということを実感したく、周囲に家計管理事情についてよく飲みながら聞いてきた。それぞれいろんな事情があるのだなと気付かされてきた一方、何よりも筆者が想像していた以上に若者の「お金」にまつわる価値観は良くも悪くも多様であることに毎回気づかされる。 今回、やさしいお金の専門家/金融教育活動家・横川楓氏に、筆者自身と周囲の「お金の事情」について赤裸々に話し、アドバイスを伺った。 横川氏の話からは、必要な習慣と今すぐやめるべき習慣が見えてきた。「当たり前」の習慣が難しくなる前に、若者なら必ず知っておきたい内容だ。
カードローン200万円 VS 戻ってこない「20代」
先日、筆者は友人たちと出かけた際に、大きな衝撃を受けた。大手商社で働く中堅社員の友人から、こんな話を聞いたからだ。 「社会人になりたての頃はカードローンで200万円借りて、交際費などに当てていた。ボーナスが多い業界だから、2年もあれば完済できるんだよ。そうでもしないと、若い時は本当にもったいないからね。働くモチベーションにもなる」 驚いたあと、しばらく冷静になった。確かに、東京は仕事終わりや休日をとびっきり充実させることができる場所が多い。自らの足で開拓すればするほど、いろんな人にも出会うことができる。 カードローンで手に入れた200万円で20代を鮮やかに彩れるのならと思うと、一見賢い行動かもしれない。 しかし、ローンというのは車や家の購入、子供ができた時の教育費、または起業など「ここぞ」という時に組むものではないのか。 専門家の横川楓氏に、このエピソードについてどう捉えるべきか聞いてみた。つい最近まで大学生だった若者が200万円もの大金をローンで借りるのは、選択肢としては間違っていないだろうか? 横川「お金の専門家としては、もちろん勧められません。ローンを組むことで本来払わなくてもいい利子を払うわけですから。そもそも、数百万円を2年で返せる人は、まず限られています。 大手商社に勤めていて、ローンもきっちり2年で完済できたということは、ある程度年収もあり、家計管理ができる人だということがわかります。実際のところ、ギリギリ借りることができたとしても、予定通り返せない人はたくさんいます」