MBS、高校ラグビーで初の試み 映像と同等の情報をナレーション放送、視覚障がい者も“冬の花園”へ
大阪・毎日放送(MBS)は17日、来年1月7日に同局・TBS系全国28局ネットで放送する『KOBELCOスポーツスペシャル 第104回全国高校ラグビー大会 決勝』で、同局テレビのスポーツ中継として初めて「解説放送」を実施すると発表した。 【写真】冬の花園へ…ラグビーボールを眺めるMBS海渡未来アナウンサー 「解説放送」は、テレビのユニバーサルサービスの1つ。主に目が不自由な方に番組をより楽しんでもらうため、映像に関する説明(出演者の表情、情景描写など)を、副音声によるナレーションで伝える。 通常のスポーツ実況と異なり「テレビから得られる情報と同等の情報を、ナレーションで可能な限り入手できるようにする」必要があるため 、今回の実施にあたっては、スポーツ担当者やアナウンサーが、視覚障がい支援施設(社会福祉法人・日本ライトハウス情報文化センター)から助言を得るなど、準備を進めてきた。 「冬の花園」と呼ばれる全国高校ラグビー大会は、高校生ラガーマンの憧れ。東大阪市花園ラグビー場で12月27日に開幕する。激しいプレーや密集、細かなルール・反則など、ビギナーには難しい競技とされるが、分かりやすく伝える。 MBSは「目の不自由な方も一緒に、みなさんで楽しんでいただけるように取り組んでまいります」とコメントする。 ■木村敦プロデューサーコメント 日本ラグビー界は、2015年W杯での南アフリカ戦の劇的勝利、19年日本開催で社会現象にもなりました。一方「ルールが難しくて…」というご意見も多く寄せられるなか、スーパー情報やアニメーションなども駆使し、より分かりやすい放送を目指しています。 解説放送では、グラウンド内外の情報や刻一刻と変化する試合展開を過不足なくお伝えできるか?がカギになります。実況の近藤アナは決勝担当の経験も豊富で、プロ野球のラジオ実況も担当しており、その経験値も生かすことができると考えております。目の不自由な方にも聖地・花園での高校生たちの真冬の熱き戦いをぜひともお楽しみいただければと思います。 ■近藤亨アナウンサーコメント 入社後間もなく全国高校ラグビー大会に携わった当時は、テレビ中継のほか、連日MBSラジオでの中継もありました。そこでラグビーを音声だけで伝える経験をした身として、今回お力になれればと思っております。 が、正直あのラジオ中継、「ラグビーに詳しい人がじっと集中して聞くとなんとなく雰囲気が分かる」というレベルでしたので、今回はさらに分かりやすく伝えるための方法論を編み出さないといけないだろうなという気がしています。どうか温かくお聞きいただきますようよろしくお願い申し上げます。