侍ジャパン、韓国戦は高橋宏斗が先発 モイネロから満塁弾放った38発40盗塁男を警戒も「冷静に戦う」【プレミア12】
野球の国際大会「ラグザス presents 第3回 プレミア12」で、初戦のオーストラリア戦(13日・バンテリンドームナゴヤ)に快勝を収めた野球日本代表「侍ジャパン」は14日、1次リーグ残り4試合が行われる台湾へ移動した。井端弘和監督(49)は、15日の韓国戦(台北ドーム)で高橋宏斗投手(22)=中日=を先発で起用すると明言。日の丸投手陣の軸として期待される右腕が宿敵を封じ込め、チームをさらに勢いづかせる。 ◆侍ジャパン・高橋宏斗、笑顔で清水達也を出迎え【写真】 大会初戦を白星で飾り、幸先のいいスタートを切った侍ジャパン。台湾に乗り込んで始まる4連戦の一発目、過去に何度も死闘を繰り広げてきた韓国との戦いに、井端監督は昇り竜の右腕をぶつける。高橋宏はアジアのライバル国との対戦を前に、静かなる闘志を吐き出した。 「日韓戦は伝統的な試合だと自分の中でも思っていますし、絶対に負けられない試合。どんどん攻めの気持ちでやりたい」 既に韓国の選手は映像でチェック済み。警戒する打者として真っ先に挙げたのは、今季の韓国リーグ(KBO)で38本塁打、40盗塁を記録したニュースター・金倒永(キム・ドヨン)内野手(21)。14日のキューバ戦では好投手モイネロ(ソフトバンク)からの満塁弾など2本塁打を放った。最大の脅威だ。 「僕より若いんですよね?それくらい勢いがあるバッターなのでなんとかその前にランナーをためないこと。盗塁もある。若い分、勢いでくると思うのでそこは僕が冷静に戦っていきたい」。高橋宏は侍最年少の22歳だが、昨年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)決勝で登板するなど修羅場は経験済み。心は熱く燃やしつつ、相手打者を観察しながら冷静に投球を組み立てる。 調整も兼ねて先発登板した9日の強化試合・チェコ戦(バンテリン)では3イニングを4安打1失点。打者を圧倒する本来の投球ではなかった。試合後に「スプリットの落ち方がよくなかった」とすぐに投球内容を自己分析。翌日のキャッチボールから修正に励み、13日のブルペン投球後には「うまくいった手応えはある。あとはやるだけ」と自信を口にした。 台湾には、中学2年時と高校2年時にいずれも選抜チームの海外遠征で12月に1週間ほど滞在した。これまで4度の海外渡航のうち3度が台湾と縁がある。「第2の故郷?言い過ぎ?」と冗談を交えながらも「ちょっと頭には入っているので過ごしやすい」。この時期の気温、湿度、そして空港に降り立った時の独特のにおいまで、肌感覚で分かっている。 大会規定に投球制限はないものの、5、6回程度がめどとみられる。心技体の準備はしっかり整った。あとはマウンドで自分の力を発揮するだけ。ジャパンのエース格として韓国打線を圧倒していく。
中日スポーツ