【小倉2歳S回顧】中京組のワンツー決着にみる“舞台経験”の重要性 距離延長でも楽しみなエイシンワンド
未勝利のオープン馬クラスペディア
2着クラスペディアは新馬でエイシンワンドに敗れはしたものの、その経験を武器に変え、重賞2着で賞金を積んだ。収得賞金600万円とし、未勝利のオープン馬という不思議なことになった。これも変則開催のため、開催4週目の中京で2歳チャンピオンを決めたからこそ。この先、未勝利戦に出走できず、オープンで戦うことになる。これはこれで難しい局面だろう。だが、逃げた新馬に対し、今回は新馬より速いペースで控え、最後までエイシンワンドを追い詰めた。逆の形になっても敗れたものの、それでも2着だったことにセンスの高さを感じる。父ミスターメロディは2019年高松宮記念の覇者。12月に行われる同舞台、中京2歳Sに期待しよう。 小倉組は4着レイピアが最高着順。先手をとり、自分のペースで運べたが、最後の平坦部分200mで苦しくなった。急坂がこたえたか。9着タマモティーカップ、11着ベルビースタローンは前半が速い小倉とは正反対の競馬になり、不完全燃焼。小倉は来年まで開催がないので、中山1200mや他場でもハイペース想定のときに人気薄でも買い目に入れよう。色々と覚えておきたいレースだ。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木 淳