NTTデータGなど主要15社 今期は増収増益予想 生成AIやDX背景にIT投資旺盛
情報サービス各社が、堅調な国内景気、活発なデジタルトランスフォーメーション(DX)に向けたIT投資などを背景に業績を伸ばしている。主要19社の2024年3月期(23年4月~24年3月)連結決算は、14社が増収増益、2社が増収減益、3社が減収減益だった。25年3月期も15社が増収増益を見込んでおり、旺盛なDXや生成AI(人工知能)などを活用した需要拡大も期待される。 【関連写真】情報サービス企業 主要19社の2024年3月期連結業績 NTTデータグループは、グローバルでのDXの加速やニーズの多様化・高度化に対応するため、グループの強みを生かしたオファリングの拡充、クロスセルの拡大を進め、大幅な増収。国内では中央省庁向け案件の規模拡大をはじめ、金融、法人向けも好調に推移した。 今期は円高による減収の影響はあるが、増収増益を計画する。売上高は、日本、海外での規模拡大に伴い、為替影響を除くと4%超の増収を見込む。 野村総合研究所は、全セグメントで増収。営業利益は、国内事業のコアビジネス領域やDX案件が引き続き好調に推移して増益となった。 セグメント別では、DX案件や生成AI関連の需要の拡大もあり、コンサルティングが2桁の増収・営業増益。金融ITソリューションは、銀行業向け開発・製品販売や証券向け運用サービスが増加した。 今期は国内、海外とも増収増益を計画する。国内事業はレガシーシステムの刷新、基幹システムのモダナイズ需要が継続する見込みだ。 TISも好調を持続。売上高は、顧客のDX需要をはじめとするIT投資ニーズへの的確な対応による事業拡大で前期を上回った。営業利益は、人材投資など将来成長への投資を積極的に実施しながらも、増収効果や高付加価値ビジネスの提供、生産性向上策の推進で増益を確保した。 今期は中期経営計画(24~26年度)の初年度に当たり、顧客のDX需要に的確に対応し増収・営業増益を目指す。 SCSKは、主要顧客の堅調なIT投資需要を背景に、システム開発と保守運用サービスが継続して増収となったほか、システム販売も改善し、通期として過去最高の売上高、営業利益を更新した。今期も増収増益を予想している。 NECネッツエスアイは、キャリア向けの厳しさをカバーして大幅な増収増益。売上高は、受注残の売り上げ本格化を追い風に2桁伸長。営業利益も、データ経営強化に向けた新基幹システムの開発などの費用増を吸収し増益だった。 売り上げ規模が500億円以上1000億円未満では、4社全てが増収増益。今期は2社が増収減益を見込む。 売上高が500億円未満では、3社が増収増益、2社が減収減益。今期は5社がいずれも増収増益予想だ。
電波新聞社 報道本部