「結局、 東大合格にはいくら必要なのか?」100人の現役東大生に聞いた仰天の「予備校代」と「最も無駄だと思った教育投資」
もっと無駄だったと語る教育投資はまさかの…
高校時代の無駄だった教育投資も聞いてみました。多くの人は「なかった」と答えているこの質問ですが、その中で「無駄だった」という声があるものには共通点がありました。 それは、オンデマンド式の映像授業。それぞれが挙げる塾名は違いますが、多くの回答者が「映像授業は結局受けなかった」「モチベーションが上がらずやる気にならなかった」「自習室目当てに加入したが、結局まったく使わなかった」としているのです。 確かに、オンデマンド式の映像授業は、扱い方が難しい側面があります。オンデマンドであれば、いつでも受けられるのだからお得に感じるかもしれません。ですが、「いつでも受けられる」ことは「いつか受けなくてはいけない」わけではありません。 たしかにお金を払っている親からすれば、「いつかは受けてほしい」と思うかもしれませんが、強制力のないオンデマンド式の授業はモチベーションがわかず、結局受けないで終わってしまう人も多いのです。 また、これは映像授業を受けたことのある私の個人的な感想ですが、映像授業になると、対面型のライブ授業よりも理解力が落ちるような気がしています。目の前に先生がいないので、極端な話をすれば、寝てもサボっても怒られないわけです。授業内の程よい緊張感が存在せず、自分でこの授業を受けようとする意思がなければ、結局時間を無駄にしてしまいます。聞こうとも思っていない話なんて、当然理解できるはずもありません。 さらに言えば、仮に真面目に聞いて、わからない部分を質問しようと思っても、目の前に先生がいないのですから、質問のしようもありません。映像授業は画期的なシステムではありますが、便利なだけではなく、受講者にとってマイナスに働く面があることも理解して利用すべきです。 「いつでも受けられる」からこそ、「いつでもできるなら、後でいいや」と後回しにされてしまう。よっぽど自己管理がうまい人でないと、映像授業型の塾を活用するのは難しいかもしれません。 文/布施川天馬 ---------- 布施川天馬(ふせがわ てんま) 東大生ライター、世帯年収300万円からの東大合格。1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれ、幼少期から貧しい生活を余儀なくされる。金銭的な事情や地理的な理由から、無理なく進学可能な大学が東京大学のみに絞られたため東大進学を志す。予備校に通う金銭的余裕がなかったため、オリジナルの「お金も時間も節約する勉強法」を編み出し、週3バイトをしつつ一浪の末に東大合格を果たす。現在は、自身の勉強法やその学習方法を全国に広めるための「リアルドラゴン桜プロジェクト」を推進している。著書に『東大式節約勉強法』『東大式時間術』(扶桑社)などがある。 ----------