積雪期に活躍した住民悲願の道 雪国に眠る富山県の水路隧道と雪中隧道とは
積雪期に活躍 素掘りの雪中隧道「栃折隧道」
続いて向かうのは、南砺市利賀村と富山市八尾町(やつおまち)の境にある廃道。「楢尾トンネル」から北上すると、国道471号沿いに突如「栃折(とちおり)隧道」が現われます。 (道マニア・石井あつこさん) 「栃折峠を越えて集落に下りて市街に抜けるルートになっている。荷を運んだり、郵便を運んだりするために造られた人道の隧道。かつ、積雪の時期に使われていたので"雪中(せっちゅう)隧道"とも言われている」 豪雪地帯でもある利賀村は、冬の半年間、主要道路は通行止めとなり陸の孤島状態に。この状態では郵便物なども届かず、日々の生活に支障が出てくるため、人が往来できる最低限の大きさで昭和34年に「栃折隧道」が造られました。 利賀村には"雪中隧道"が3か所存在しており、郵便局員は隧道を通った先の交換所で、それぞれの郵便物を仕分けして届けていたそう。利賀村からの郵便物は隣の八尾町へ届けられ、そこから鉄道に乗せて運んでいたのだとか。 昭和43年頃、当時の村長が6台のブルドーザーを導入し国道の雪を整備するようになったため、徐々に「栃折隧道」は使われなくなりました。隧道内は無骨な素掘りの姿をしており、現在は入り口から322mほど進んだところで封鎖され、行き止まりになっています。 6月4日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より
CBCテレビ