雅子さまは「レースの豪華さに負けない存在感」英国訪問のレースの装いに込められた“訪問先へのお心遣い”
イギリス訪問中の雅子さまのファッションには共通点が
天皇皇后両陛下にとって、今年前半の大きなご公務となったのは、いまだ記憶に新しいイギリスご訪問でしょう。 【画像】雅子さまがアレルギーのため着用されたマスクにも刺繍のようなレースが。 中世の王侯貴族もかくやと思わせる、数多の衛兵を従えた絢爛たる馬車でのパレード。そしてイギリス国王の主たる住まいとなっているバッキンガム宮殿での、豪華でありながらシックな雰囲気を漂わせる晩さん会。 どれをとっても、子どもの頃に読んだ西洋のお姫さまが登場する、絵物語の世界のように感じた方は多かったのではないでしょうか。 そんな華やかなイギリス王室のおもてなしを受けた両陛下は、チャールズ国王やカミラ王妃と和やかに交流し、日英の友好に大きく寄与されました。 一連の行事が続く中、常に陛下の半歩後ろに寄り添っていらっしゃった雅子さまでしたが、身につけられたそのファッションには、実はイギリスへの敬意をこめた、あるメッセージが隠されていたように思えるのです。 チャールズ国王夫妻とお会いになる場で、雅子さまが着ていらっしゃったのは、透かし模様を編みこんだレースのお洋服でした。 歓迎式典では、レースをあしらったセットアップの上に、レースのコートを羽織り、帽子にもレースのリボンを使用なさっていました。また雅子さまは馬アレルギーのため、馬車パレードの時は白いマスクを着用されましたが、よく見るとそのマスクにも刺繍のようなレースが施されていました。 バッキンガム宮殿で開かれた晩さん会でも、雅子さまはレースのローブ・デコルテ姿で登場されました。その翌々日、チャールズ国王夫妻にお別れのご挨拶をなさった際にお召しになっていた淡いピンクのセットアップも、レースのデザインがアクセントになっていました。
なぜ雅子さまはレース使いを繰り返されたか
これまでも雅子さまは、ファッションにレースを取り入れられることがありましたが、それは部分的に用いるだけで、レース素材の服がお好きなのだろうという印象でした。 皇室に入られて初めての宮中晩さん会は、1993年に開かれた東京サミット参加国の首脳を招いてのものでした。ロシアのエリツィン大統領(当時)と、アメリカのクリントン大統領(当時)の間に座られた雅子さまは、白と薄いピンクのレースを用いたトップスのドレスをお召しになり、ひと際華やかさを添えていました。 今年の春の園遊会でも、雅子さまはインナーにレースを合わせられており、エレガントさが際立っていました。 雅子さまは身長が高く、人目を引き付ける魅力をお持ちでいらっしゃるため、レースのお洋服もとてもお似合いになります。華奢で小柄な女性がレースの洋服を着ると、ロマンティックな印象になりがちですが、雅子さまはスタイリッシュに着こなされ、レースの豪華さに負けない存在感をもともとお持ちなのだと感じさせます。 海外にも、レースを使った装いで世界中を魅了した女性たちがいます。 モナコ公妃になったグレース・ケリーは結婚式の時、レースをふんだんに使ったドレスで気品あふれる美しさを放っていました。 オードリー・ヘプバーンも映画『ローマの休日』で、レースのドレスやお洋服を着ていました。透き通るような花の文様が多いレースは、高貴な王侯貴族の象徴とされてきたのです。 たくさんのレースを用いたファッションは、そこにたたずむだけでエレガントなオーラを発する女性でなければ着こなせないものです。そうした意味でも、雅子さまならばレースの持つ強い主張に負けることはないでしょう。 ただ今回のイギリスご訪問中のように、雅子さまがレースをあしらったお洋服を何パターンも続けて着ていらっしゃったのは、今まで見たことがありません。 なぜ、ずっとレースを身にまとい続けていらっしゃったのでしょうか。実はそこに、レースにまつわるイギリスの歴史が隠されているのです。