会社員の夫は、がんで昨年12月中旬から本年1月中旬に入院していました。がん保険の請求をする予定ですが、医療費控除の確定申告はどのようにしたら良いでしょうか? 医療費は前年と本年に分けて支払いました
医療費の対象となる期間が年末年始をまたぐ場合
医療費控除の控除年分の判定は現金主義で行います(所得税基本通達73-2)。つまり、未払いとなっている医療費は現実に支払われるまでは控除の対象となりません。 したがって、たとえば、令和6年末に支払った医療費は令和6年分の、令和7年1月に支払った医療費は令和7年分の所得税における医療費控除の対象となります。
医療費を補填する保険金等
医療費控除の計算にあたって、医療費を補填する保険金の額が、医療費を支払った年の確定申告書を提出する時までに確定していない場合には、補填される保険金等の見込額に基づいて計算します。 そして、後日、当該保険金等の確定額と当該見込額と異なる場合は、さかのぼってその年の医療費控除額を訂正します(所得税基本通達73-10)。 また、医療費が年をまたぐ場合は、保険金等を支払った医療費の額に応じて各年分に按分します。たとえば、令和6年末に支払った医療費が60万円、令和7年1月に支払った医療費が40万円、保険金(見込額)が30万円とすると、令和6年分の医療費控除の計算上、補填される保険金額は18万円、令和7年分については12万円です。 なお、がん保険の診断給付金は医療費を補填する保険金の額に含まれません。年をまたぐかたちで医療費を支払った場合は、確定申告時に注意しましょう。 出典 国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除) 国税庁 法第73条《医療費控除》関係 所得税基本通達73-2(支払った医療費の意義) 所得税基本通達73-10(医療費を補填する保険金等の見込控除) 執筆者:新美昌也 ファイナンシャル・プランナー。
ファイナンシャルフィールド編集部