“赤ベンツ不倫”広瀬めぐみ議員「詐欺」容疑で強制捜査の裏側…特捜部が入手した“宝の山”に戦々恐々の自民党議員たち
7月30日、東京地検特捜部は、広瀬めぐみ参議院議員の事務所や自宅に強制捜査に入った。 【写真あり】広瀬めぐみ議員“真っ赤な口紅”妖艶な雰囲気に変貌していた国会での出席姿 2022年12月から2023年8月まで、公設秘書として届け出ていた女性に勤務実態がなく、国から支払われる公設秘書の給与を詐取した、詐欺の疑いがあるという。 「広瀬議員は、2022年初当選の1回生議員です。しかし、政治家として名をあげる前に、2023年7月、自民党婦人会がエッフェル塔などの見物写真をアップして批判を浴びた、研修旅行に参加したことが発覚。 2024年2月には『デイリー新潮』で、カナダ人サックス奏者と赤色のベンツに乗って、ラブホテルに向かう不倫が報じられ、謝罪しています。 まだ議員2年めにもかかわらず、醜聞続きです。最近、国会内でも服装が段々と派手になって、真っ赤な口紅を施し、胸元がV字に深く開いた柄シャツを着たりと、妖艶な雰囲気を醸し出していました」(政治部デスク) 公設秘書の給与詐取問題は、2024年3月に「デイリー新潮」が報じていたが、広瀬議員は事実無根と主張していた。 社会部記者がこう話す。 「今回の強制捜査は、記事がきっかけでしょう。しかし強制捜査に入ったということは、証拠や関係者の証言などから、悪質だと判断されたからです。 じつは地検特捜部は、自民党議員に関するかなりの資料を持っており、いわゆる“宝の山”状態です。この資料を元に、金の流れを調べています」 自民党の派閥パーティー券をめぐる裏金事件で、東京地検特捜部は2023年12月、安倍派と二階派の事務所などを家宅捜索。その後、安倍派、二階派、岸田派の会計責任者や議員ら計10人を立件している。これに関連する捜査過程で入手した資料などが“宝の山”にあたるとされている。 「この家宅捜索で押収した資料、さらに捜査の過程で、派閥の口座以外にも、自民党の各国会議員関連の銀行口座の詳細を特捜部は入手しているとみられます。特捜部は機会さえあれば、こうした情報はすべて入手しようとしますからね。 特捜部はこの事件捜査のなかで、自民党国会議員の口座照会をすべてやったとみられています。なので、広瀬議員の関連口座の情報も、特捜部は入手していた可能性があります。 また、7月18日に堀井学衆議院議員が、選挙区内の有権者に香典を配った疑いがあるとして、公選法違反容疑で特捜部が家宅捜索した案件も“宝の山”から掘り当てたのではないでしょうか。 裏金をプールしていたなかから香典を配っており、これを悪質だ、と特捜部は判断したわけです。堀井議員は、裏金事件で不起訴処分となっていませんでしたから、特捜部の捜査は続いていたのです」(前出・社会部記者) 裏金事件では、起訴判断に3000万円という基準を設けていたことで、特捜部は国民から批判されていた。それに対して、今回の広瀬議員の詐取金額は数百万と見られているが、強制捜査になった背景には、裏金事件で岸田文雄首相ら計16人が不起訴処分になったことに対し、7月8日、神戸学院大学の上脇博之教授らが、検察審査会へ申し立てたことがあるという。 「東京地検は、検察審査会に持ち込まれて起訴相当や不起訴不当の判断がされないためにも『自民党議員への捜査はきちんとやっていますよ』ということをアピールしておきたい。 岸田首相らの不起訴は政治的な判断ではなく、悪質性があったかどうかを基準に判断している、という正当性を見せておきたかったのだと思われます。 つまり、堀井議員や広瀬議員への強制捜査は、もちろん悪質性という部分もありますが、今後の検察審査会対策のためという見方が強いです。普通は、自民党総裁選の前にこんなことしませんからね。 特捜部はいまも“宝の山”のブツ読みを継続していて、カネまわりで『悪質だ』と認定された自民党の国会議員たちに、今後も強制捜査する可能性があります。堀井議員、広瀬議員だけでは終わらないと思います」(同前) こうした検察の思惑は、自民党側にも伝わっているようだ。自民党ベテラン秘書がこう話す。 「広瀬議員の強制捜査には非常に驚いています。巨額でもなかったし、裏金事件に関係したわけでもない。ただ、堀井議員が捜査された時点で『特捜部はいま、裏金の使途を洗っているのだな』と思っていましたし、党の先生方が『次は誰の番なのか?』と戦々恐々としているのは、たしかです」 自民党国会議員たちは今後、夜もおちおち眠れない状況が続くのかもしれない。