東大生、帰国子女じゃないのに英語が抜群にできる友人。彼が高1から毎日、数ページずつ読んでいた本とは
さんきゅう倉田さんは、オトナサローネでの連載をまとめた書籍(電子)『お金持ちがしない42のこと』がロングセラー人気の、元国税芸人であり吉本芸人でもあります。この3年間は仕事の傍ら、受験勉強にも専念する多忙な日々を送り、23年4月に晴れて東京大学文科二類に合格。各メディアで大きく報道され、話題になりました。 【表】東京大学の合格者のうち、上位の出身校〈中高一貫校〉は? 東大生たちに囲まれる暮らしが始まり、彼らの瞬時の判断力や教養、その合理性は「学ぶことばかりだ」と言います。そんな東大生たちの知られざる世界を、さんきゅう倉田さん独自の視点で語っていただきます。 今回は東大生が本を読む理由について紹介していただきます。
東大生の論理的思考はどこからくるのか
平日も土日も東大生と過ごしていると、彼らの類まれなる能力に驚く。勉強ができることに対して驚きはない。ただ、18歳で大人以上の知識を有し、独自の見解を持ち、それが論理的な矛盾なく他者の共感を得られるものだったとき、彼らの素晴らしさを改めて感じる。
高校1年生の頃から英語の学術書を読む
東京大学の英語の試験は著しく難しい。クラスメイトの話だとTOEFLと同じレベルだとも言われている。どちらも120点満点で、難度が同程度なのだそうだ。 東京大学を5回受験した仲間は、受験1回目から英語の点数を順に並べると47点、60点、59点、66点、66点だった。ずっと勉強していても伸びない。そこに東大受験の難しさがある。 一方で、現役で100点を叩き出す学生がいる。しかもたくさん。 東大の受験者は10,000人弱いて、そのうち合格するのは3,000人。その合格者の中の1割に当たる300人程度が90点付近ないしそれ以上を取る。90点を取ることも難しいが、そこからさらに点数を伸ばすのは困難だ。50点の人が5点伸ばすのと90点の人が5点伸ばすのでは、全く性質が異なる。 だからこそ、100点以上を取る学生の英語力には驚く。海外在住経験があり、中学生の時に英検1級を取得した学生ならば、100点以上を取っても不思議に感じない(東大にはそういう学生が散見される)。 しかし、そうではない学生もいるのだ。ぼくの友人のひとりにもこのタイプがいる。ずっと日本にいて、中高一貫校で勉強を続け、100点を取る。彼は高校1年生の頃から英語の学術書を読み始め、英語力が伸びたそうだ。 そもそも、高校生が学術書を読むことが珍しい。ぼくがまともに本を読むようになったのは、18歳になってからだし、それも小説だった。実用書も学術書も20代後半になって税金やお金の勉強をするようになってから読むようになった。 彼は18歳から、それも英語の学術書を読んでいた。通学の電車内で毎日少しずつめくっていたらしい。 そうやって、高校の授業時間以外も英語に触れて英語力を伸ばした。受験のための英語の勉強はほとんどやらなかったらしい。各予備校がそれぞれの勉強法や資料を生徒に提供しているが、各自に合った勉強法さえ見つかれば、点数は伸びるのだ。