売買されるあなたの位置情報、スマホの設定は大丈夫? 自分を守るために確認すべきことは
プライバシーを守るためにできること
マッツ・サーフ氏は、「もし本当に自分のデータを完全に管理しようと思ったら、24時間365日かかりっきりになるでしょう」と言い、「そんなことはできません。私たちは意味を十分に理解していませんし、時間もありません」と続ける。 ACLUマサチューセッツ州支部は2023年、マサチューセッツ州におけるスマホの位置情報の売買禁止を目指すキャンペーンを立ち上げた。このキャンペーンは、企業が携帯電話の位置情報を収集したり処理したりする前にユーザーの同意を得ることを義務付ける法案を支持している。クロックフォード氏は、「この法律が成立しても、人々がグーグルマップのような重要なサービスにアクセスすることは可能だが、企業がそのデータを一般市場で販売することはできなくなるだろう」と話す。 そして、「位置情報を保護することは、テクノロジーが私たちのプライバシーや身体の自律性、自分自身の生活をコントロールする能力を損なうことなく、私たちの創造性や生産性や探究、つながり、コミュニケーションを向上させるために必要な保護を確保することなのです」と説明する。 クロソウスキー氏は、自分の位置情報データの流出を防ぐために個人レベルでできることとして、広告IDを無効にし、スマホのプライバシー設定をよく理解し、どのアプリが位置情報データにアクセスしているかを確認することを勧める。 「プライバシーを求めることは、人間の脳に普遍的に備わっている特徴のようです」と、アクウィスティ氏は言う。「人間は、どれほど厳しい監視環境に置かれても、なおプライベートな空間を作り出そうと努力し続けるのです」
文=Tatyana Woodall/訳=三枝小夜子