【分析】「聞く力」を数値化! 報道対応は1年間で141回。車座集会は2年間で46回開催。岸田政権2年間「聞く力」の成績表
■「訴えたのに…」車座参加者のホンネ
一方で、こんな意見もありました。 岸田首相は、親が働いているかどうかを問わず時間単位で保育園などを利用できる「こども誰でも通園制度」を、政府の子育て支援政策の目玉の一つとして打ち出しています。 これについて、車座に参加したある保育士は「保育士の人材不足を車座で訴えたのに、誰でも通園になると人手不足に 拍車がかかるのでとても不安。まずは車座で訴えた課題を解決してほしい」と厳しく指摘しました。 車座での訴えが届いていないと感じている声があがっていることについて、首相周辺は「処遇改善やキャリアアップの仕組み作りは進めている」と強調しています。
■専門家「聞いたことをどう活かしたのか説明しないと不安感」
ここまで報道対応と車座で岸田首相の「聞く力」を分析してきましたが、この分析からわかることは何なのでしょうか? 政治学が専門の東京大学の牧原出教授は、「いろいろな物にアンテナを張り、聞こうとはしているが、聞いたものの中で岸田首相がどこに深く共感し実行に移そうとしているのかが国民には伝わってこない。聞いたことをどう活かしたのか説明しないと不安感が残る」と、3年目の課題を強調していました。 また、岸田首相と極めて近い関係にある自民党の閣僚経験者は「手段ばっかり説明せず目的を説明したほうがよい」と指摘しています。
■3年目の岸田政権
岸田首相の「聞く力」に加え「決断し実行する力」がどう発揮されていくのか。自分の都合の良い声だけに「聞く力」を発揮していないか、また「決断し実行する力」がどれだけ国民の切実な声を反映しているのか。3年目の岸田政権をしっかりウォッチしていく必要があります。