小金井~府中の「すごい南北道路」全通へ前進!? 広大な「道路空白地帯」に「崖から飛び出す橋」整備案も!? 工事どこまで進んだのか
多摩中部の貴重な南北軸
多摩エリアの新たな主要南北軸となる「府中東小金井線」の整備が進められています。 完成すればどう便利になるのでしょうか。また工事はどこまで進んでいるのでしょうか。 【画像】超便利!? これが「すごい南北道路」計画ルートと整備状況です(30枚以上)
府中東小金井線は、新武蔵境通り(4車線)と新小金井街道(2車線)のちょうど中間あたりに位置します。 2本の南北道路は5kmあまりも離れており、そのあいだには広大な「大通り空白地帯」となっていて、どこへ行くにも狭い生活道路をクネクネと移動しなくてはならず、不便な状況です。 そこで整備が進められているのが府中東小金井線で、五日市街道から東八道路を経て、甲州街道(国道20号)までを縦に連絡する役割を果たします。途中でJR中央線の東小金井駅前を抜け、西武多摩川線の西側を並行します。総延長は約5kmです。道路幅は16m~18m程度の2車線です。 開通済み区間と未開通区間がモザイク状に入り乱れており、南北ネットワーク軸の機能はまだ発揮できていません。具体的には以下のとおりです。 【開通済み】東大通り(五日市街道~JR東小金井駅~連雀通り) 約2kmがつながっています。ただ東小金井駅の北側は狭い2車線のままなので、都市計画幅へ拡幅する事業が行われているところです。 【未着手】連雀通り~東八道路 ここが唯一、まだ事業着手できていません。 野川を渡る区間ですが、武蔵野台地から国分寺崖線をズドンと一気に降下する必要があり、一筋縄ではいきません。隣を走る西武多摩川線は、台地からそのまま飛び出し、見上げるような橋梁で空中を渡っていきます。 新道路は、同様に「台地から橋梁で渡っていく」案、「台地を掘り下げて切土構造で降下していく」案、「台地内へトンネルでもぐりこんでいく」案の3つが比較検討されています。 そのなかで、都が環境改変が小さいなどとして「最適案」に選んでいるのが、橋梁案です。約230mの橋で野川を大またぎしていきます。隣の西武多摩川線と空間的にも並走することとなります。 【事業中】あんず通り(東八道路~人見街道) もともと細い路地しかなく、全くの新道路として整備中。そのうち、あいだの350m程度が完成形になっています。 【開通済み】あんず通り(人見街道~甲州街道) 多磨駅前から白糸台交番前まで、約960mが整備済みで、両側に歩道が確保されています。 ※ ※ ※ ものすごい高低差が立ちはだかる「国分寺崖線」を克服し、野川の南北エリアをつなげる貴重な道路となる「府中東小金井線」。 2025年度末までの10年間で「優先的に整備すべき」とした区間にもリストアップされており、その10年が間もなく終わろうとしているなか、構造案も固まり、悲願の事業着手に向けて大詰めの段階となっています。
くるまのニュース編集部