エバラ食品 鍋の価値伝達強化へ 焼肉訴求、9月まで継続
エバラ食品工業は2024年度下期の戦略として「外部環境リスクへの対応」「鍋の価値向上で需要を喚起」「コスパ・タイパ意識への対応」に取り組む。酷暑や暖冬が予測されるなか、焼肉のたれ群のプロモーションを9月末まで継続。鍋については、需要期に合わせて「温」を伝える新商品や既存の人気フレーバーを通じ、その価値を伝える。鍋のコア・ベネフィットの追求、経済メニューの提案、汎用利用の促進にも力を注ぐ。8月2日に開いた秋冬新商品・リニューアル品説明会で明らかにした。 説明会では商品開発部商品開発一課の石井敦史課長、マーケティング部販売促進課の山田俊輔課長、テクニカルセンターの林賢二センター長が登壇。石井課長が下期の外部環境予測とマーケティング戦略骨子、新商品について、山田課長が焼肉のたれ群と「プチッと鍋」のプロモーションについて、林センター長がポーション調味料の革新とさらなる進化について説明した。 同社は、外部環境として消費者実態、食肉市場、外食業界、環境リスクに着目したうえで、メリハリ消費に対応する商品の二軸訴求、外部環境変化のリスクに備えた汎用使いの促進に取り組む。テーマとして「価値を実感してもらえるコスパ・タイパの高い商品提供」「外部環境の変化や市場トレンドをとらえた柔軟な販促の提案」を掲げて具体的な戦略を進める。 焼肉に関してはいろいろな食べ方でおうち焼肉を楽しめる食感変調味料「焼肉ザクだれ 旨辛ガーリック」を8月2日から発売した。「焼肉ザクだれ 塩だれガーリック」(24年2月発売)の販売好調を受けて追加した新アイテムで、もろみと蝦醤(シャージャン)、かつお節のうまみに唐辛子を合わせたうま辛い調味料を具材にまとわせたこと、大きさの異なる唐辛子を2種類使用して魚介のうまみの中に程よく辛みが感じられる味わいに仕上げたことが特徴だ。 この秋冬に向けては、しゃぶしゃぶのたれに加える使い方、食べ方も訴求。また、「なべしゃぶ」提案メニューのしゃぶギョプサル、冷奴、焼きしいたけなどのメニューを提案する。 焼肉のたれ群全体のプロモーションとして、上期に続き「焼肉といえば、エバラ」のメッセージを発信し、ハレの日での商品想起を促す。濱田岳さんと桜田ひよりさんを起用したTVCMを投下し、各種動画メディアでもCMを放映する。店頭施策では、安価で手に入る鶏肉を使った鶏焼肉を訴求。インストアキャンペーン、BBQ大会などにも取り組み、需要を盛り上げる。 鍋に関しては「すき焼のたれ」「すき焼のたれマイルド」などびんタイプ6品の容器をペットボトル化する一方、1個で1人分の温活鍋の素「プチッと鍋ホッと温 中華しょうゆ」を8月2日から発売した。「プチッと鍋」のサブブランド「プチッと鍋ホッと温」の第1弾、プチッと調味料初のゼリータイプで、鶏がらだしにオイスター、しいたけ、炒めた野菜のうまみを加え、ごま油の風味を利かせた中華風の味わいが特徴だ。 「プチッと鍋」のプロモーションとして「鍋といえば、エバラ」のメッセージを発信し、既存商品の活性化と若年層ファンの獲得を目指す。端境期と需要期に瀬戸康史さんを起用したTVCMを投下し、縦型動画も各種SNSで配信する。店頭施策ではインストアキャンペーン、生鮮コラボなどにも取り組む。汎用メニューでは余り野菜、カット野菜で作れる肉野菜炒めを訴求。既存商品では「寄せ鍋」「キムチ鍋」に次いでリピート率が高い「濃厚みそ鍋」を訴求する。