「もう手軽なおやつじゃない…」銀だこ値上げに象徴される「たこ焼き700円時代」の金銭感覚 「500円以上は出せない」「屋台でも値上がり」嘆きの声が続々
今では、めったに外で購入しなくなったというAさん。 「よく、大阪出身だというと『家にたこ焼き器あるの?』とイジられたものですが、今や東京でもたこ焼き器がセットになったホットプレートを持っている人も多く、たこ焼きはすっかり家で“たこパ(たこ焼きパーティー)”をする時に食べるもの。外で買う時も友人とシェアするような時だけですね。どのたこ焼き屋さんも高くなっているので、とても子供に『おやつに買ってくれば』なんて言えません」(Aさん)
まぐろより高騰するたこ
たこ焼きの値上げはチェーン店だけでない。30代女性・Bさん(IT企業勤務/埼玉県)は、「お祭りの屋台でも、子供のお小遣いで気軽に買える値段ではありません」と嘆く。 「先日、小学生の子供を連れてお祭りに行ったら、たこ焼きが6個で800円。私が小さい頃は400円くらいだったような……。子供が友達と一緒に行くなら、お小遣いとして1000円を渡そうと思っていましたが、今は3000円くらい渡さないと、お祭りを満喫できないかも。給料が上がっていないのに、子供のお小遣いの値上げをするのも厳しいし」 屋台でのたこ焼き購入を見送ったBさん。子供にせがまれてスーパーの惣菜や冷凍もののたこ焼きを買うこともあるが、「中にたこが見当たらないこともある」と苦笑いだ。 たこ焼きの値上げの要因として、たこの価格高騰の影響が指摘されている。総務省「小売物価統計調査」によると、たこの価格は2014年100gあたり277円だったが、2024年10月中旬には513円(いずれも東京都区部)まで上昇。その高騰ぶりは、同年同月のまぐろの価格492円よりも、たこが21円上回る。
「たこパ」はいか、ウインナー、ベーコンなどで
20代男性・Cさん(建設会社勤務/東京都)は、「もうたこが入っていなくてもいいのでは」とまさかのアイデアを繰り出す。 「たこ焼き? 大阪に旅行に行った時なんかは食べますが、東京では手が出ませんね。同じ粉ものならお好み焼きとか、お腹にたまるものを食べますかね。なんか、700円とか800円っておやつ価格じゃないんで。 先日、自宅でたこパを開きましたが、いか、ウインナー、ベーコンなどでおいしくて楽しめました。たい焼きに魚の鯛が入ってないんだから、たこ焼きだってもはやたこが入っていない“進化版”を手軽に売ってもいいような気がします」 庶民の味として親しまれてきたたこ焼きだが、もはや手が届きにくくなりつつある人は多いようだ。(了)