暗号資産投資、なぜポートフォリオを分散すべきなのか
暗号資産(仮想通貨)は、分散投資がまだ十分に評価されていないであろう数少ない市場のひとつかもしれない。ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)は、イノベーティブな新規プロジェクトが増加しているにもかかわらず、時価総額では依然として圧倒的であり、多くの投資商品は一握りのわずかなポジションしか提供していない。 アウターランズ・キャピタル(Outerlands Capital)では、分散投資がリスク調整後リターンにもたらすメリットについて指摘してきた。個別に見れば、プロジェクトが小さいほどリスクは高いかもしれないが、幅広く組み合わせて投資することで、ボラティリティを下げ、シャープレシオ(ボラティリティを正規化したリターン)のようなリスク・リターン指標を改善できる。しかし、分散投資にはシャープレシオを高める以上の効果がある。
暗号資産の多様性を捉える
暗号資産のようなダイナミックな市場では、ブロックチェーンテクノロジーを中心に構築されたテーマやセクターの多様で進化する組み合わせへのエクスポージャーを得るためには分散投資が不可欠だ。 分散投資とは、リターンのベキ分布、つまり極端な偏りを解決することであり、ポートフォリオのリターンは、より低い、あるいはマイナスのリターンをもたらす多数の投資に対して、少数の非常にポジティブな結果によって左右されるようになる。 この現象は、ベンチャーキャピタル(VC)投資においてよく報告されており、このコンセプトはディスラプティブなテックスタートアップへの投資に似ている暗号資産投資にも受け継がれている。分散投資することで、あなたのポートフォリオは、長期にわたって最大の勝者を捉えられるようになる。 ほんの一握りのトークンに集中したポートフォリオでは、現在開発されている幅広く、エキサイティングな暗号資産のユースケースを捉えるのに苦戦するだろう。 例えば、時価総額トップ10の暗号資産は、しばしば「分散ポートフォリオ」として紹介される。ここには、通貨とレイヤー1が混在している。このような大規模なトークンは、規模が大きいため、リスクが低いと見なされることもあるが、このような選択では今、暗号資産で起きているイノベーションの多くを捉えることはできない。 時価総額トップ150のトークンを含むアクティブ運用ポートフォリオに拡大すると、レイヤー1や関連インフラ(スケーリングソリューションや相互運用性など)、DeFi(取引やレンディングから資産管理まで)、エンターテイメント(ゲームやメタバースなど)、分散型物理インフラネットワーク(AIと連携した分散コンピューティングパワーのプロジェクトを含むDePIN)、現実資産(RWA)など、よりダイナミックな姿が見えてくる。 これらのプロジェクトの中には、単独では大きなリスクを抱えるものもあるが、分散投資はポートフォリオ全体のリスク管理に役立つ。