JAL、純利益498億円 スプリングJ通期黒字化へ=24年4-9月期
日本航空(JAL/JL、9201)の2024年4-9月期(25年3月期第2四半期)連結決算(IFRS)は、純利益が前年同期比19.1%減の498億7800万円だった。売上収益は2010年1月の経営破綻後では最高を記録した。2025年3月期の通期連結業績予想は据え置き、純利益は前期(24年3月期)比4.7%増の1000億円を目指す。 【写真】JAL A350-1000の個室ファーストクラスと個室ビジネスクラス ◆FSC 4-9月期の売上収益は9.9%増の9018億1700万円、本業のもうけを示すEBIT(財務・法人所得税前利益)は6.1%減の856億8700万円と増収減益となった。経営破綻後最高を記録した売上収益は、航空・非航空事業とも前年同期を上回った。 営業費用は11.9%増の8243億円で、EBITマージンは1.6ポイント低下し9.5%。売上収益のうち、JALを中核とするFSC(フルサービス航空会社)事業が6.7%増の7101億円で、このうち、国際旅客収入が8.3%増の3405億円、国内旅客収入が2.0%増の2804億円、貨物郵便事業が19.2%増の797億円だった。 国際旅客は、旺盛なインバウンド(訪日)需要を取り込みつつ、回復傾向にある日本発需要を取り込んだ。有償旅客数は9.9%増の362万1285人、ロードファクター(座席利用率、L/F)は2.7ポイント上昇し82.0%だった。 国内旅客は、団体旅客需要に回復傾向がみられた。有償旅客数が1.4%減の1728万6539人、L/Fは0.5ポイント低下し74.9%となった。 貨物事業は、国際貨物は自社運航のボーイング767-300BCF貨物機3機を活用。需要が旺盛な北米向けの単価向上や医薬品などの高付加価値貨物の獲得を強化した。国内貨物は、ヤマトホールディングス(9064)とのエアバスA321ceo P2F型貨物機事業が8月から羽田に就航するなどネットワークを強化した。 グループCFO(最高財務責任者)を務める斎藤祐二副社長は、767-300BCFについて「さらに追加することは考えていないが、しっかり対応していく」と、当面は現行体制の足場固めに注力する。 ◆LCC ZIPAIR(ジップエア、TZP/ZG)を中核とするLCC(低コスト航空会社)事業は、旅客収入が43.4%増の453億円。中国を中心とするスプリング・ジャパン(旧春秋航空日本、SJO/IJ)が8月以降、高需要が見込まれる北京と上海(浦東)へ就航したことが奏功し、スプリングの通期黒字化が視野に入った。 有償旅客数はZIPAIRが25.6%増の68万人、スプリングは37.6%増の53万7000人で、ロードファクターはZIPAIRが1.9ポイント上昇して81.3%、スプリングが9.3ポイント上昇し81.5%と、両社とも8割を超えた。 ◆25年3月期通期予想 通期業績予想は据え置き。売上収益が前期(24年3月期)比16.8%増の1兆9300億円、EBITが17.1%増の1700億円、純利益は4.7%増の1000億円を見込む。年間配当予想は1株80円から変更はなく、中間配当は40円に決定した。
Tadayuki YOSHIKAWA